監督:岸 善幸
脚本:港 岳彦
撮影監督:夏海光造
音楽:岩代太郎
主題歌:BRAHMAN
原作:寺山修司「あゝ、荒野」
出演:菅田将暉、ヤン・イクチュン、でんでん、木村多江、ユースケ・サンタマリア、木下あかり、モロ師岡、高橋和也、今野杏南、山田裕貴、河井青葉、前原滉、萩原利久、小林且弥、川口覚、山本浩司、鈴木卓爾、山中崇
【前篇】
2021年、新宿。
少年院から出てきた21歳の新次は、幼い頃に母親に捨てられ行くあてもなく、かつての振り込め詐欺仲間の裕二を訪ねる。時代は変わり、プロボクサーデビューした裕二からはけんもほろろに扱われる。復讐を誓う新次。
床屋で働く健二は吃音で赤面対人恐怖症。韓国人の母親を亡くし、日本人の父と共に日本に来たが、暴力的な父に耐えられず家を出ていた。
そんな新次と健二が、片目こと堀口からボクシングをやらないかと声をかけられ、ボクシングジムで寝泊りしながらプロボクサーを目指す・・・
【後篇】
新宿新次、バリカン健二のリングネームで、プロデビューを果たした二人。片目が2人のためにつけたトレーナー馬場の厳しい指導でめきめき力をつけていく。やがて、新次は宿敵である裕二との戦いに挑み、復讐心に燃えていく。一方、健二は力で対戦相手を打ち負かすことへのためらいを捨てられずにいた。兄弟のような絆で結ばれていた新次と健二だが、やがて袂をわかち、リングで決戦の時を迎える・・・
それぞれの役者が、まさに新宿の裏町でもがくように生きようとしている人物を体現していて、見ごたえたっぷり。
『息もできない』のヤン・イクチュン監督は役者としても絶品。可愛い。
新次の宿敵、裕二を演じた山田裕貴の鋭い眼光も忘れられない。
そして息子新次を捨てて一人の女として生きる京子を素敵に演じた木村多江。
その京子に会うたび、「相変わらずお綺麗で」と挨拶するひょうひょうとした片目のユースケ・サンタマリア。
バリカン健二にほれ込みサポートするジムの敷地の地主二代目、川口覚も爽やか。
どの人物もいとおしい。
前篇をみたら、後篇が待ち遠しくなること間違いなし。両方あわせて305分! どっぷり『あゝ、荒野』の世界に浸ってください。(咲)
2017年/日本 前篇 157分 後篇147分
配給:スターサンズ
公式サイト:http://kouya-film.jp/
★『あゝ、荒野』前篇:10月7日・後篇:10月21日新宿ピカデリー他 二部作連続公開
2017年10月07日
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