2017年09月10日

あさがくるまえに   原題:Réparer les vivants

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監督:カテル・キレヴェレ
出演:タハール・ラヒム、エマニュエル・セニエ、アンヌ・ ドルヴァル、ドミニク・ブラン、ギャバン・ヴァルデ

海辺の町ル・アーブル。夜明け前、 シモンはまだ寝ている彼女を起こさないように、そっとベッドを抜け出し、窓から出てスケボーで坂を下りて行く。友人たちと落ち合い、サーフィンを楽しんだ帰り道、シモンたちの乗った車が交通事故にあってしまう。病院に運ばれたシモンは脳死と判定される。シモンの両親に、移植コーディネーターのトマはシモンが蘇生する可能性は低く、移植を待つ患者に臓器提供をしてもらえないかと打診する。
一方、パリでは心臓移植を待つ音楽家のクレールに、担当医からドナーが見つかったと連絡が入る。若くはないクレールは、移植をしてまで延命すべきかどうか悩んでいる矢先のことだった・・・

身体的には生きている息子の死をなかなか受け入れられない肉親の思い。方や、臓器移植を受けることができれば生き長らえる人がいる。移植コーディネーターの双方に対する複雑な思いが交錯する様を、タハール・ラヒムが静かに体現していました。
ジャック・オディアール監督の『預言者』で初めて観て以来、注目していたタハール・ラヒム。その後、ロウ・イエ監督、アスガル・ファルハディ監督、ファティ・アキン監督、そして黒沢清監督と、さまざまな国の名だたる監督に起用されてきましたが、本作は久しぶりにフランスの監督、しかも女性監督。
移植コーディネーターという微妙な立場にいるタハール・ラヒム演じるトマだけでなく、息子が脳死判定された両親、ドナーが現われるのを待つクレール等々、それぞれの感情を丁寧に描いていて、自分がその立場だったら・・・と、どの人物にも寄り添えました。(咲)


監督:カテル・キレヴェレ Katell Quillevere
1980年、父の赴任先であるコートジボワール生まれ。その後、パリに戻り、フェネロン高校で映画を学び、パリ第8大学で哲学を修め、映画の修士号を取得。2004年にセバスチャン・バリーとともにブレィヴ・ヨーロッパ中編映画祭を創設。2005年に初の短編映画『À bras le Corps』がカンヌ国際映画祭監督週間に出品され、 2007年のセザール賞にノミネートされた。2010年に『聖少女アンナ』で長編デビュー。再びカンヌ映画祭監督週間に出品され、ジャン・ヴィゴ賞を受賞。2013年、2作目の長編『スザンヌ』を発表。(フランス映画祭東京2014で上映) カンヌ国際映画祭国際批評家週間のオープニング作品に選ばれた。興行的にも成功した本作は、セザール賞5部門にノミネートされ、アデル・エネルが最優秀助演女優賞を獲得。今、フランスで最も注目されている女性監督の一人。(プレス資料より抜粋)

原作:2014年に発表されたメイリス・ド・ケランガルの、カンマを多用し、まるで呼吸するような独創的な文体が話題となったベストセラー小説”Réparer les vivants“ (日本未翻訳)。

2016年/フランス=ベルギー/カラー/104分/スコープ・ サイズ/DCP
配給:リアリーライクフィルムズ、コピアポア・フィルム
公式サイト:https://www.reallylikefilms.com/asakuru
★2017年9月16日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開



posted by sakiko at 09:11| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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