2017年09月10日
50年後のボクたちは 原題:Tschick
監督・共同脚本:ファティ・アキン
脚本:ラース・フーブリヒ
原作:ヴォルフガング・ヘルンドルフ(「14歳、ぼくらの疾走」)
出演:トリスタン・ゲーベル、アナンド・バトビレグ・チョローンバータル
14歳のマイクはクラスメイトのタチアナに片思いしているけれど、臆病者で話しかけることもできない。同級生からは変人扱いされている。おまけに母親はアル中で、父親は浮気中。ある日、チチャチョフ(愛称チック)という転校生がやって来る。ロシアの辺鄙なところから来たらしい。目つきが悪く、変な髪形をしている。隣の席のマイクと目を合わせようともしない。
タチアナの誕生日パーティが近づいたが、マイクとチックのところにだけ招待状が届かない。夏休みになり、アル中の母は病院に入り、父は愛人と旅に出てしまう。一人置き去りにされたマイクのところに、チックがオンボロ車“ラーダ・ニーヴァ”に乗ってやって来て旅に誘う。南へと向かう二人。目指すは、チックの祖父が住んでいるワラキア(ドイツ語で「未開の地」の意)。トラブル続きのハチャメチャな旅が始まった・・・
トルコ移民の両親のもと、ハンブルグで生まれたファティ・アキン監督が、ドイツ国内で220万部以上を売り上げ、26カ国で翻訳されている大ベストセラー小説「14歳、ぼくらの疾走」に惚れ込み、実写映画化した作品。
原作に基づいた作品ゆえ、『そして、愛に帰る』などのようにトルコの香りはしないけれど、本作は、若者のロードムービー『太陽に恋して』にもちょっと通じるところのある作風。
14歳という、ちょっと大人に足を突っ込んで背伸びしたい年代。警官に追いかけられたりもするけれど、思うがまま、やりたい放題の旅は、きっと一生忘れられない思い出になるでしょう。
出会ったイザという女性と3人で、50年後にまたここで会おうと約束します。50年後なんて、ずぅ〜っと先と思うでしょうけど、あっという間。中学3年生の頃の友達とは、それこそ50年来の付き合い。ずっと会ってない同級生に50年ぶりに会っても、あっという間に当時の気分に♪ 大人になってしまうと、大きな出来事も、それがいったい何歳の時のことだったか、あやふやになることもあるけれど、10代に起こった出来事は、鮮明に何歳の時のことか覚えているもの。若いときの経験って大事だなと思う。(咲)
配給:ビターズ・エンド
2016年/ドイツ/93分/ビスタ
公式サイト:http://www.bitters.co.jp/50nengo/
★2017年9月16日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー
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