2017年09月03日

旅する写真家 レイモン・ドゥパルドンの愛したフランス 原題 Journal de France

2017年9月9日 シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開!

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(C)Paimeraie et desert-France 2 Cinema


監督 レイモン・ドゥパルドン クローディーヌ・ヌーガレ
製作 クローディーヌ・ヌーガレ
撮影 レイモン・ドゥパルドン
編集 シモン・ジャケ
キャスト
レイモン・ドゥパルドン
クローディーヌ・ヌーガレ
アラン・ドロン(アーカイブ映像)
ジャン=リュック・ゴダール(アーカイブ映像)
エリック・ロメール(アーカイブ映像)

フランスを代表する写真家の
“ガイドブックには決して載らない” 世界旅行記

フランスの写真家レイモン・ドゥパルドン(1942-)。マグナム・フォトに所属し世界中を飛び回って、20世紀の変革が起きた現場で取材を続け、スチールと映像で記録してきた。フランス国内でも、大統領選挙、裁判所、精神病院、警察といった国家機関の内部を市民目線で描くドキュメンタリーを製作。カンヌ映画祭をはじめ国内外で高い評価を得た。近年はフランスの伝統的な農業を続ける家族を追った作品など、「ガイドブックに載らない」風景を40年以上に渡って撮影した作品を発表。今日も彼は愛車のワゴンに写真機材を詰め込み、フランス中を走り回って写真を撮っている。
フランス、ヌヴェールの古びたタバコ屋の前で、ビューカメラと呼ばれる大型のカメラをかついで撮影しているレイモン・ドゥパルドン。「露出が1秒だから、車や歩行者は困るんだ」「その人が通ったら撮影」と言い、シャッターを切る。撮影しているのは50年代のおもむきを残すタバコ屋や食料品店、カフェや家など、人物ではない。ごく普通の人々が生活を共にするものばかり。
世界中の紛争地帯、独裁政権、傭兵、アフリカ、砂漠など、レイモンはそれまで発表してきた映像ではなく、撮ったけど使わなかった映像を使って一本の映画を作ることを試みた。その作品が、この『Journal de France=旅する写真家 レイモン・ドゥパルドンの愛したフランス』である。
レイモンの撮影してきた数々のフィルムの断片の合間に、フランス中を回って、大型カメラで撮影を続けるレイモン・ドゥパルドンの姿が挿入される。
共同監督を務めたのは、妻であり、映像作品の製作・録音を担当してきたクローディーヌ・ヌーガレ。「倉庫に眠る膨大なアウトテイクをつないで、一本の映画にしたい」というレイモンの夢を叶え、レイモン・ドゥパルドンの仕事の集大成作品を作った。

製作年2012年 製作国フランス 配給アンプラグド
公式HP

写真を始めて約45年。ベトナム戦争の頃(1970年代)には、ロバート・キャパ、石川文洋、沢田教一、一ノ瀬泰造らの撮った写真を見て、報道写真家を目指したこともあった。大石芳野、南條直子、古居みずえなど、ベトナム、カンボジア、アフガニスタン、パレスチナなど紛争地の写真を撮ってきた日本の女性写真家もいるが、私はとうとうそういう写真家にはなれなかった。なりゆきでそういう写真を撮るようになったという人もいるけど、それなりの覚悟と勇気がなければ、紛争地の写真を撮れるような写真家にはなれない。それは男の人だってそうだったろう。
そんな私だけど、マグナムに参加していたというレイモン・ドゥパルドンを知らなかった。この映画で彼のことを知った。ワゴン車でフランス中を廻り、8×10(バイテン)の大型カメラで、景色を撮影している映像が出てきて、今でもバイテンのカメラで撮っている人がいる!と驚いた。この映像の合間に映し出されるかつて撮影した映像だけど、あまりにも短すぎて、何の場面なのか、どこなのか、誰なのか、把握しきれなかった。人でわかったのはアラン・ドロンとネルソン・マンデラだけだった。ロメールとかジスカールデスタン大統領などは解説があってわかったけど、ゴダールは見逃した。そのくらい一瞬しか出てこなかったりする。歴史上の人物とか、事件、フランスの映画人などに詳しい人が観たらすぐわかるかも。何が出てくるか、誰が登場するかと思いながら観るのも楽しいのではないだろうか。
私にとってはアフリカに興味があり、アフリカの映像が多くて興味深かった。1960年代はアフリカの国々の独立が多かったので、フランスのジャーナリストとしてはやはり、多く出かけたのかもしれない。(暁)

レイモン・ドゥパルドン、日本初の個展「DEPARDON / TOKYO 1964-2016」開催中!
場所:シャネル・ネクサス・ホール
東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング 4F
http://chanelnexushall.jp/about/access/
9月1日(金)〜10月1日(日)12時〜20時(入場無料・無休)
1964年の東京オリンピックから現在までの東京がテーマ。2017年秋は、まだ日本国内ではあまり知られていないドゥパルドンの魅力を堪能できそうです
posted by akemi at 21:19| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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