2017年09月03日

三里塚のイカロス

2017年9月9日(土)よりロードショー
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(C) 2017 三里塚のイカロス製作委員会


監督・編集:代島治彦/撮影:加藤孝信/音楽:大友良英

成田空港、滑走路の下に“あの時代”が埋まっている。
三里塚の農民とともに国家権力と闘った若者たちの“あの時代”と“その後の50年”

本作は『三里塚に生きる』(2014/監督・撮影:大津幸四郎、監督・ 編集:代島治彦)の姉妹編。『三里塚に生きる』が国家と闘った農民を中心に描いたのに対し、本作は農民と共に闘った若者たちのその後を描く。
三里塚の空港反対闘争を指導した農民運動家、三里塚闘争の現地責任者だった元中核派政治局員、農民支援に入った農家の若者と恋をして結婚した女性達、そして元空港公団職員など、空港反対闘争によって人生が大きく変わった方たちが、“あの時代”と“その後の50年”の記憶を語る。
ある日突然、ここに空港を作るから出て行きなさいと言われた農民たち。土地を守るための農民たちとその闘争を支援した人たちの闘い。それが、日本最大の国家権力に対する抵抗運動、成田空港建設反対闘争だった。成田市三里塚の農村地帯に巨大空港を作ることを決定した政府による暴力的な土地収奪に農民たちは抵抗運動を開始。そして農民たちの思いに共鳴した若者たちが集まり、国家権力との闘いは大きなうねりになっていった。
しかし空港は作られた。あれから50年。“三里塚→成田”から、毎日海外旅行へと人々が旅立っていく。
そこでかつて何があったのか、多くの若者たちは知らない。成田空港のその地に“あの時代”が埋まっていることを忘れてはならないと、この映画は作られた。
三里塚現地責任者を務めた元中核派政治局員・岸宏一さんは、本作完成後の2017年3月26日、谷川岳で遭難し、本作が最後の貴重な証言となった。撮影は小川プロ出身の加藤孝信。

三里塚闘争の頃、中学生〜高校生だった。自分が耕している農地が、「ある日突然、空港になるから出ていけ」ということになって、怒った農民たちが行動を起こした。その農民たちの姿に共感したのを覚えている。そして、成田空港ができたあとも、この空港を利用すまいと思った。でも初めて海外に行った1990年頃は羽田からの国際便がほとんどなくて、成田を使わないわけにはいかなくて、仕方なく使った。すごく後ろめたかった。
その後、羽田からも国際便があるようになって成田は遠のいた。今では羽田から海外に行く。羽田からの国際便が増えた事情を考えると、あの成田闘争(三里塚闘争)はなんだったのかと、『三里塚に生きる』を観た時に思った。だったら最初から羽田空港を広げられなかったのかと思ったのだった。
そして、この作品でびっくりしたのは、闘争に参加した女子学生で、この地の農家に嫁いだ女性が結構いたこと。その視点で考えたことはなかったので。彼女たちの生きてきた道を思い、その地で生きる決心をしたことの力強さに頼もしく思った。
そして、空港の反対闘争に参加した人だけでなく、一方の当事者だった元空港公団職員で、用地買収を担当していた方の話も聞けたのは貴重だった。自宅を爆破までされてしまったということを知り驚いた。
国の都合で物事が決まって当事者たちが振り回されたというのは、ここでもそうだったのかとの思い。あれから50年以上たっているけど、ここに暮らす人たちの思いはきっと変わらないのだろうと思った。(暁)

数年前、成田空港からどこへ向かった時か忘れたけれど、飛行機が滑走路で離陸待ちをしていた時、窓の外に三里塚闘争の時のやぐらが見えて、まだあったのかと感慨深く思ったことがありました。
思えば、私が三里塚闘争のことを深く意識したのは、1978年春のこと。初めての海外旅行でイランに行くのに、開業間もない成田空港から飛び立つはずでした。どうやって遠い成田空港まで行こうかと思っていた矢先、開港予定日の4日前の3月26日、反対同盟を支援する新左翼グループが空港管制塔を占拠し破壊。開港が遅れ、私は羽田から飛び立ったのでした。
そも、なぜあんな不便なところに国際空港を建設する必要があったのでしょうか? 当時は、羽田は夜間飛行制限があるから作れないとのことでした。でも、今や、羽田は国際空港として機能しているではないですか。
農民たちから無理矢理土地を奪うという国家による暴挙! 本作では、その農民たちを支援して政府に声をあげた若い人たちのことを追っていて、その情熱や、その後の様々な人生に、ただただ驚くばかりでした。怪我や骨折覚悟で抵抗運動に身をやつした人たち・・・
闘争に人生を賭け結婚もできなかった男性が、年老いた母親の下の世話をしなければならないと語っている姿が、なんとも虚しかった。今の日本で、ここまでして権力に声をあげられる人がどれだけいるでしょう・・・ (咲)


2017年/日本/138分/配給:ムヴィオラ、スコブル工房/英語字幕付 with English Subtitle

2017年9月9日(土)よりロードショー
《同時上映》
特集上映『ドキュメンタリーの大宇宙 小川プロダクション・三里塚とあの時代1967ー1973』『三里塚に生きる』 

《舞台挨拶&トークイベント》
9/09(土)15:30『三里塚のイカロス』上映後。代島治彦監督、加藤孝信さん(撮影)による舞台挨拶。プロフィールはこちら
9/16(土)15:30『三里塚のイカロス』上映後。ゲスト:中川憲一さん(出演者、元プロレタリア青年同盟)、代島治彦監督
9/23(土)15:30『三里塚のイカロス』上映後。ゲスト:前田深雪さん(出演者、元ML派)、代島治彦監督
9/30(土)15:30『三里塚のイカロス』上映後。ゲスト:平田誠剛さん(出演者、元第四インター)、代島治彦監督

小川プロ特集
9/11(月・祝)13:00『三里塚・第三次強制測量阻止闘争』上映後。ゲスト:北井一夫さん(写真家)、代島治彦さん(『三里塚のイカロス』監督)
9/16(土)13:00『現認報告書 羽田闘争の記録』上映後。ゲスト:三上治さん(評論家)、小林哲夫さん(ジャーナリスト)、代島治彦さん(『三里塚のイカロス』監督)

posted by akemi at 20:30| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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