2017年08月20日

幼な子われらに生まれ

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監督:三島有紀子
原作:重松清「幼な子われらに生まれ」(幻冬舎文庫刊)
脚本:荒井晴彦
撮影:大塚亮
音楽:田中拓人
出演:浅野忠信(田中信)、田中麗奈(田中奈苗)、鎌田らい樹(沙織)、新井美羽(恵理子)、南沙良(薫)、水澤紳吾(同期男性)、池田成志(職場リーダー)、宮藤官九郎(沢田)、寺島しのぶ(友佳)、

田中信は別れた前妻友佳との娘、詩織に3ヶ月に一度会えるのを楽しみにしている。今の妻奈苗は前夫沢田との間に薫と恵理子という娘二人をもうけたが、DVに耐えかねて離婚している。バツイチ同士で結婚して4年、思春期の入口にさしかかった薫が、このごろ信と距離を取るようになった。再婚して以来、家庭第一の信は本社から倉庫へと異動させられてしまうが、奈苗に打ち明けられない。奈苗が妊娠したのを知った薫は反抗的になり、妹をいじめたり「この家いやだ。本当のパパに会いたい」と言ったりする。新しい職場で上手くいかない日々を過ごす信は、自分に頼り切りの奈苗もわずらわしくなり「別れよう」と口走ってしまう。

『しあわせのパン』(2012年)『繕い裁つ人』(2015年)など、これまでほんわかした優しい印象の作品を送り出してきた三島有紀子監督が、ドキュメンタリーのようなリアリティのある本作を作りました。脚本を尊重しつつ、俳優同士がぶつかりあって生まれた即興のセリフも取り入れたそうで、それが緊迫感のあるシーンになったのでしょう。前妻役の寺島しのぶさんが放ったセリフが浅野さんの中に残り、血のつながらない娘の薫とのシーンに出て来たセリフになっています。これには「信さん学習したね」と思いましたが、後で資料を読んで脚本でなく即興と知って感心しました。同じように子役たちが、芝居というより反応しているのです。
いわゆる“いい人”でじっと耐えている(溜めすぎると爆発する)信と逆に、いやなことはしない、やめる。そのために何でもする、妻にも子どもにも暴力を振るう沢田は最低な男に見えます。が、その言葉はたいていの男性の本音であるらしく、失笑か共感か試写室がさざめいていました。どっちの要素が多いか少ないかだけで両方が同じ人間の中にあるのでしょう。原作には信の気晴らしが書かれていますが、これは入ってなくて良かったです。なんだか気になる方は読んでみてくださいませ。(白)


2017年/日本/カラー/シネスコ/127分
配給:ファントム・フィルム
(C)2016「幼な子われらに生まれ」製作委員会
http://osanago-movie.com/
★2017年8月26日(土)テアトル新宿・シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 16:01| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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