2017年08月19日
ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(原題:A Street Cat Named Bob)
監督:ロジャー・スポティスウッド
原作:ジェームズ・ボーウェン
脚本:ティム・ジョン、マリア・ネイション
撮影:ピーター・ウンストーフ
美術:アントニア・ロウ
衣装:ジョー・トンプソン
音楽:デビッド・ハーシュフェルダー
キャスト:ルーク・トレッダウェイ(ジェームズ・ボーエン)、ルタ・ゲドミンタス(ベティ)、ジョアンヌ・フロガット(ヴァル)、アンソニー・ヘッド(ジャック・ボーエン)、キャロライン・グッドオール(メアリー)
ロンドンの片隅で食べ物をあさっている若いホームレスのジェームズは、自称ミュージシャン。親に反発して家を出、歌い続けていたが芽が出ずに挫折。ドラッグに溺れて福祉局の指導を受けて更生プログラム中だった。意思の弱さからヘロインに手を出し、福祉局のヴァルから「次はない」ときつく念を押され、やっと小さなアパートに入ることができた。久しぶりの家に感激していると、どこからか茶トラ猫が迷い込んできた。
猫を保護したのをきっかけに、動物好きで優しい隣人ベティと知り合う。ベティは薬物中毒の兄を亡くしていた。茶トラ猫をボブと名付け、肩にのせてストリートに連れていくと、これまでになく人が集まってくれる。ボブはジェームズのお守りで「招き猫」になった。ある日ベティに中毒者であることを知られたジェームズは、今度こそ本気でクスリを断とうとする。
原作は本人のジェームズ・ボーウェンが書いた「ボブという名のストリート・キャット」。猫とミュージシャンの実話は英国のベストセラーとなり、日本でも翻訳出版(辰巳出版刊)されていてさっそく読みました。ハイタッチしてくれるボブは、ストリートですっかり有名になり、ジェームズが生活を立て直す原動力となりました。映画に出演する猫はたいていトレーナーに訓練されたプロの役者猫?ですが、このボブは本人。全く物怖じせず、カメラなどないかのように自然に動いています。
ルーク・トレッダウェイは結合双生児のロックミュージシャンの映画『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』(2005)で双子のハリーと出演、そちらでも歌声を披露していましたが、以後の出演は別々のようです。ただの猫大好き映画ではなく、イギリスの若者の貧困と薬物中毒もリアルに描き出しています。ジェームスにヘロインを薦めた中毒の若者の悲惨な最後に、この子にも仕事と住むところがあれば違っただろうにと思ってしまいます。ボブがいることで立ち直ったジェームズは、そういう若者たちの支援活動中とか。ラストのサイン会に本人がちょっと出演しています。ボブはもちろん今も元気で、ジェームズのかけがえのない相棒です。私もボブとハイタッチしたい〜。(白)
2016年/イギリス/カラー/シネスコ/103分
配給:コムストック・グループ
(C)2016 STREET CAT FILM DISTRIBUTION LIMITED ALL RIGHTS RESERVED.
http://bobthecat.jp/
★2017年8月26日(土)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
この記事へのコメント
『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』は2005年の映画です。すみません!2015としていました。訂正いたしますした。
Posted by 白 at 2017年09月11日 09:52
『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』は2005年の映画です。すみません!2015としていました。訂正いたしました。
Posted by 白 at 2017年09月11日 09:52
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