2017年08月03日

リベリアの白い血   原題:Out of My Hand

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監督:福永壮志
撮影:村上涼/オーウェン・ドノバン
音楽:タイヨンダイ・ブラクストン (ex.BATTLES)
製作総指揮:ジョシュ・ウィック、マシュー・パーカー
製作:ドナリ・ブラクストン/マイク・フォックス
出演:ビショップ・ブレイ、ゼノビア・テイラー、デューク・マーフィー・デニス、ロドニー・ロジャース・べックレー、ディヴィッド・ロバーツ、シェリー・モラドほか

西アフリカ、リベリア共和国。ゴム農園で働くシスコは、過酷な労働環境の改善を求めて仲間たちと共に立ち上がる。ストをするも状況は変わらない。そんな折、出稼ぎ先のニューヨークから従兄弟のマーヴィンが一時帰国する。ニューヨークでの生活も決して楽ではないと聞かされるが、少しでも稼いで仕送りをしようと、愛する家族の元を離れ単身で自由の国アメリカに赴く。
ニューヨークのリベリア人コミュニティに身を寄せ、タクシードライバーとして働き始めたシスコは、厳しい現実と直面しながらも徐々に大都会での生活に慣れていく。
そんなある日、ジェイコブと名乗る男に声をかけられる。リベリアでの内戦の時代に、共に兵士として戦った男だった。思い出したくない過去を知るジェイコブが、執拗にシスコの前に現われるようになる・・・

ニューヨークを拠点に活動している福永壮志監督による、長編デビュー作。
本作は、リベリア部分の撮影監督を務めた村上涼さんが自主制作したドキュメンタリーから着想を得た物語。ニューヨークを拠点に映像関係で活躍する先輩であり義兄弟(妹さんの配偶者)でもあった村上涼さんが、2007年と2008年にリベリアでゴム農園の労働者を追ったドキュメンタリー。その制作を手伝ううちに、過酷な中でひたむきに働く姿に感銘を受け、当時構想していたニューヨークに住む移民の映画の主人公の背景を、リベリアのゴム農園の労働者に設定。
なお、村上涼さんは、本作のリベリア部分の撮影中にマラリアに罹り、ニューヨークに戻られた後、亡くなられました。まだ33歳という若さ。今後も活躍が期待されていただけに残念です。

リベリアのゴム園の過酷な労働環境や、ニューヨークのリベリア人のコミュニティという、日本人には縁遠い世界のことを知ることができて興味津々でした。
本作は、リベリア政府公認の映画組合との共同制作。
シスコ役のビショップ・ブレイは、過去に実際リベリアのゴム農園で働いていた方。とても誠実で温厚な人物だけど、違う面も持っていることを体現していて素晴らしいです。元兵士仲間のジェイコブに対しては、感情をむき出しにします。一方、タクシーの乗客としてリベリア人でアメリカで成功しているらしい紳士が出てきて、多額のお釣りをいらないというのですが、シスコは受け取れないと、尊厳を見せます。

リベリアという未知の世界を知ることができる一方で、平穏に暮らしていたのに、思い出したくない過去の自分を知る人物に出会ってしまったり、新天地を求めて別の場所に行ったりという、普遍的な出来事を描いた物語。世界各国で共感を得ることができる映画だと思いました。映像が素晴らしく、ストーリー展開も面白いので、ぜひ劇場でご覧ください。(咲)


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公開を前に一時帰国された福永監督に、この映画に込めた思いをお伺いする機会をいただきました。インタビュー詳細は後日特別記事でお届けします。

★第21回ロサンゼルス映画祭 最高賞受賞
★第65回ベルリン国際映画祭 パノラマ部門正式出品
★第31回インデペンデント・スピリット・アワード ジョン・カサヴェテス賞 日本人初のノミネート

2015年/米国/88分/リベリア語・英語/ビスタサイズ/5.1ch/カラー/DCP
配給・宣伝:ニコニコフィルム
公式サイト:http://liberia-movie.com/
★2017年8月5日(土)よりアップリンク渋谷にて公開、ほか全国順次公開予定

■8月26日、27日 福永監督の地元 北海道伊達市先行上映会
その後、福永監督の出身地 北海道を凱旋いたします
■9月2日よりディノスシネマ札幌劇場(初日 監督挨拶あり)
■9月2日よりディノスシネマ室蘭

またな亡くなったカメラマン・村上涼さんが育った四国・高松でも上映
■9月9日よりホール・ソレイユ2(初日 監督挨拶あり)
posted by sakiko at 12:13| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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