監督:菊地健雄
脚本:加藤綾子
撮影:佐々木靖之
音楽:渡辺シュンスケ
出演:萩原みのり(水野はづき)、久保田紗友(今村葵)、もたいまさこ(小林悦子)、渡辺シュンスケ(茅野耕介/茅野幸二郎)、渡辺真起子(小林早紀)
高校生の水野はづきと今村葵は同じクラスにいながら、殆ど交流がない。カレと別れたばかりのはづきの目下の心配は妊娠! まだ判明していないけれど仲間の一人がその元カレと交際中、とても打ち明けられずにいる。
目立つはづきと違って、まじめな委員長の葵。父は海外赴任中、母も仕事で忙しく顔を合わせることも少ない。食卓には現金がおいてある。いつしか万引きが癖になり、クラスメートのカバンからも小物を盗んでは隠すようになっていた。その中にはづきの妊娠検査薬があった。
たまたま帰り道で出くわしたはづきと葵は、迷子になっていた認知症らしいおばあさん小林悦子を交番へ送り届ける。葵は悦子さんがいつも同じ歌を口ずさみ、初恋の人あてらしい手紙を持ち歩いているのを知る。葵とはづきは悦子さんと一緒に、初恋の人を探すことにした。
昨年の東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ部門」でいちはやく紹介されました。短時間で撮り、応募締め切り直前に出来上がったとか。初監督作の『ディアーディアー』(2015)とは全く違うテイストの、みずみずしく、ほっこりする作品になりました。ベテランの俳優陣が若い二人を支えて、くりかえされる渡辺シュンスケさんの優しい音楽も心地良いです。
学校のトイレで仲間の本音を聞いてしまうシーンに、同じ経験を思い出しました。自分の足りないところがわかって良かったのですが、その相手にはとても言えませんでした。
はづきと葵は同じ経験をしたけれど、その後べたべた仲良くなったりはしません。程よい距離感のまま卒業してゆくのでしょう。3人が歩く坂道や石段などロケーションもぴったり。(白)
2016年/日本/カラー/ビスタ/80分
配給:アンプラグド
(C)2016 Sony Music Artists
http://hello-goodbye.jp/
★2017年7月15日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開