監督:ホ・ジノ(『八月のクリスマス』『春の日は過ぎゆく』『四月の雪』『きみに微笑む雨』)
出演:ソン・イェジン(『四月の雪』『私の頭の中の消しゴム』)、パク・ヘイル(『殺人の追憶』、ユン・ジェムン、ペク・ユンシク、ラ・ミラン、戸田菜穂
「朝鮮」から「大韓帝国」へと国号が変わり、李氏朝鮮第26代国王・高宗(コジョン)が初代皇帝の座についていた日本統治時代。高宗(コジョン)の娘である徳恵翁主(トッケオンジュ)の激動の人生を描いた物語。
7歳の時、目の前で父を毒殺される。わずか13歳で日本に留学させられ、大学卒業後も祖国への帰国を許されない日々を過ごす徳恵(ソン・イェジン)の前に、かつて父が結婚相手に考えていたジャンハン(パク・ヘイル)が現われる。大日本帝国軍少尉である一方、密かに朝鮮独立運動に尽力していた。徳恵と対馬藩主の子息・宗武志(キム・ジェウク)との政略結婚が決まり、残された道は亡命のみ。甥のイ・ウ王子(コ・ス)やジャンハンが上海臨時政府に亡命させようとするが失敗する。その時を最後に徳恵とジャンハンは引き離されてしまう。
宗武志と結婚し、娘も出産するが、やがて徳恵は心を病んで入院する。そして、日本敗戦。だが、韓国初代大統領となった李承晩は徳恵の帰国を許さなかった。1961年、朴大統領が就任し状況が変わる。新聞記者となったジャンハンは、徳恵を帰国させようと日本に赴く・・・
日本統治時代、政略結婚で韓国の王室に嫁がれた方子(まさこ)さまのことは知っていましたが、逆の立場の皇女さまがおられたことを、この映画を通じて初めて知りました。実は、韓国でも徳恵翁主のことは、あまり知られていないそうです。一方、方子さまは奉仕活動もされて、韓国ではいいイメージで受け止められて、尊敬されている方と監督から伺いました。宮家のご出身で気品のある方子さまを演じた戸田菜穂さんも気品があって適役だったと監督。戸田菜穂さんは、日本でリメイクされた『八月のクリスマス』に出演していて、ご縁があるとも監督は語りました。★監督インタビューは本誌100号 および 特別記事でお届けします。
徳恵翁主の人生を、ドラマティックに脚色して描いていますが、日韓併合時代を生きた人たちの様々な運命にも思いの至る物語です。(咲)
2016年/韓国/127分/カラー/5.1chデジタル
配給:ハーク
公式サイト:http://www.lastprincess.info
★2017年6月24日(土) シネマート新宿ほか全国順次公開