2017年06月01日
怪物はささやく(原題:A MONSTER CALLS)
監督:J・A・バヨナ
原作:パトリック・ネス「怪物はささやく」(あすなろ書房刊)
脚本:パトリック・ネス
撮影:オスカル・ファウラ
出演:ルイス・マクドゥーガル(コナー)、シガーニー・ウィーバー(祖母)、フェリシティ・ジョーンズ(母)、リーアム・ニーソン(怪物の声)、トビー・ケベル(父)
13歳のコナーは、窓から教会と墓地の見える家に母と二人で暮らしている。父は離婚してすでに新しい家族を持っていて、コナーに会いに来てはくれる。けれど、もう向こうの家の人だ。母は重い病気でいろいろな治療を試して、苦しいのにコナーに微笑んでみせる。でも以前のように元気な母には戻れない。毎晩悪夢にうなされているコナーの部屋に大きな怪物がやってきて「これから3つの真実の物語を聞かせてやる。4つ目の物語はお前が話すのだ」と告げた。どんなにコナーが拒否しても怪物には通じず、それから必ず同じ時間に怪物が現れるのだった。
第1話「黒の王妃と若き王子」
第2話「薬師の秘薬」
第3話「透明人間の男」
第4話のコナーが語らねばならない真実とは?
『パンズ・ラビリンス』のプロデューサーが原作に惚れ込んで映画化されたダークファンタジー。原作は、病と闘い40代で亡くなってしまったシヴォーン・ダウドの未完の遺作をパトリック・ネスが引き継いだもの。どちらも才能のある作家で、完成した本はカーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞をダブル受賞の快挙!ジム・ケイの挿絵も雰囲気をよく伝えて好きな本でしたが、映画化するにあたって著者のパトリック・ネスが脚本を書いています。これは観なければ、と試写に行きました。ストーリーや俳優もいいですが、コナーの部屋や彼の描く絵、怪物の造形や動き(声を担当しているリーアム・ニーソンがモーションキャプチャーも)など、特に美術がすばらしい!
怪物が語る3つの真実の物語がアニメーションで出てきますので、なんだかお得な感じです。しかし4つ目はコナーが心のうちをさらけ出さねばなりません。ルイス・マクドゥーガルくんは2002年6月生まれ、映画公開時には15歳になります。長いまつ毛の目元が染谷将太君に似ています。2013年に実のお母さんを亡くしているそうで、映画とはいえ、再現するようなストーリーが辛かったのではと、孫のようなルイスくんに胸が痛みました。スペインのアカデミー賞と言われるゴヤ賞で、監督賞を含む9部門で受賞。(白)
2017年/アメリカ、スペイン合作/カラー/シネスコ/109分
配給:ギャガ
(C)2016 APACHES ENTERTAINMENT, SL; TELECINCO CINEMA, SLU; A MONSTER CALLS, AIE; PELICULAS LA TRINI, SLU.All rights reserved.
http://gaga.ne.jp/kaibutsu/
★2017年6月9日(金)よりTOHOシネマズみゆき座ほか全国ロードショー
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック