監督:キム・ソンフン
出演:ハ・ジョンウ、ペ・ドゥナ、オ・ダルス、チョン・ソギョン、パク・ヒョックォン
「6時前に帰る。ケーキは買った」と妻セヒョンに電話し、娘の誕生日で家路を急ぐジョンス。開通して1ヶ月の長いトンネルに車がさしかかる。真ん中を過ぎたあたりで、突然轟音が響き、トンネルが崩落し、瞬く間に暗闇の世界に閉じ込められる。ラジオのニュースがトンネル事故を伝える。頼りはバッテリー残量78%の携帯電話。妻に電話し、状況を伝える。やがて、救助隊長キム・テギョンから連絡が入る。崩落の惨状から、救助にはかなりの時間を要することを知るジョンス。はたして無事生還し、妻や娘に会えるのか・・・
冒頭、ガソリンスタンドで、3万ウォン分と言ったのを、年老いた店員が満タンと聞き間違え、お詫びに水のボトルを2本受け取る。この水と娘のための誕生日ケーキが命綱になることを予測させる見事な導入部分。
突然トンネルが崩壊し、コンクリートの塊に囲まれ、絶望の淵に立つ男を体現したハ・ジョンウ。
切実な思いで夫の救出を祈りながらも、救助隊や世間に気を使う妻を演じたペ・ドゥナ。
閉じ込められたジョンスに励ましの声をかけ、救助作業中止命令が出ても決して諦めない救助隊長を演じた名脇役オ・ダルス。もう、脇役ともいえない見事な救助隊長ぶり。
トンネルの中の様子を探るためドローンが飛ばされる時、報道陣のドローンも一斉に飛ばされます。災害時の報道のあり方についても考えさせられる場面。
自分もトンネルに閉じ込められたような息苦しさも感じながらの2時間強。3人の名優たちが演じた等身大の登場人物に寄り添った時間でもありました。ふぅ〜 (咲)
2016年/韓国/カラー/シネマスコープ/127分
配給:アルバトロス・フィルム
公式サイト:http://tunnel-movie.net
★2017年5月13日(土)より シネマート新宿、シネマート心斎橋他にて順次ロードショー