3月11日(土)より沖縄・桜坂劇場にて
3月25日(土)より東京・ポレポレ東中野にて 他全国順次ロードショー
公開劇場紹介チラシ
http://www.tongpoo-films.jp/Kazi-Tokyo-Flyer-N.pdf
監督・ナレーション 三上智恵
プロデューサー 橋本佳子・木下繁貴
撮影監督 平田守
編集 砂川敦志
「標的の島」とは、沖縄のことではない。それはあなたが暮らす日本列島のこと
この作品は、東村・江のヘリパッド問題を描いた『標的の村』、オスプレイ配備に抵抗する県民の姿を描いた『戦場ぬ止み』と、沖縄の米軍基地問題を描き続けている三上智恵監督によるドキュメンタリー。
沖縄では米軍普天間飛行場の辺野古への移設計画による新基地建設、高江のオスプレイのヘリパッド建設、そして宮古島、石垣島の自衛隊配備とミサイル基地建設などさまざまな問題を抱え、反対派の住民たちによる激しい抵抗、警察や機動隊との衝突が続いている。
そんな現実を描きながら、沖縄の文化や伝統、県民性も浮き彫りにし、なぜ沖縄の人たちがこの基地建設に反対するに至ったのかということをわかりやすく描いている。
2016年6月、沖縄県那覇市で行われた米軍属女性暴行殺人事件の被害者を追悼する県民大会で、稲嶺進名護市長は「我々は、また命を救う“風かたか”になれなかった」と言い、その言葉をキーワードにしている。「風(かじ)かたか」とは風よけ、防波堤の意味だという。
たくさんの沖縄県民の反対の声を黙殺した辺野古への新基地建設、全国の警察から1000人もの機動隊を投入して高江で強行されるオスプレイのヘリパッド建設。負傷者うあ逮捕者を出しながら、激しい抵抗が続いている。宮古島、石垣島ではミサイル基地建設と自衛隊配備が進行していることも描かれる。
これは日本列島と南西諸島を防波堤にして中国を軍事的に封じ込める、「エアシーバトル構想」というアメリカの戦略の一環であり、日本を守るためではなく、基地があれば軍事的な標的になる。それは太平洋戦争中の沖縄自身が体験してきたこと。沖縄の人たちはそれを実感しているからこそ、基地を作ること、増強することに反対してきた。それらを映画は映し出す。
三上監督の作品は沖縄への愛に満ちている。愛ゆえに沖縄を蹂躙し、支配しようとする権力に抵抗する。東京生まれだが、両親の沖縄への転勤により住まいを移したことがきっかけで、民族学への興味が沖縄に向いたと語っていた。沖縄の人たちの基地への抵抗を描いた作品はいくつもあるけど、三上監督の作品は、単に抵抗する姿だけを描くのではなく、なにゆえに沖縄の人たちはこういう行動をしているということを描く。それこそが、本土の人たちへのメッセージになっていると伝わってくる(暁)。
公式サイト http://hyotekinoshima.com/
協力 沖縄タイムス社、琉球新報社
製作協力 沖縄記録映画製作を応援する会
製作 DOCUMENTARY JAPAN、東風、三上知恵
2017年/119分/DCP・BD/16:9/日本/ドキュメンタリー
シネマジャーナルでは『標的の村』公開時に三上監督にインタビューしています。
http://www.cinemajournal.net/special/2013/hyoteki/