2017年03月12日
世界でいちばん美しい村
監督・撮影:石川梵
エグゼクティブプロデューサー:広井王子
音楽:Binod Katuwal、はなおと
編集:簑輪広二
編集協力:道正由紀
ナレーション:倍賞千恵子
2015年4月25日、M7.8の大地震がネパールを襲い、300万人が被災、約9000人が命を落とした。写真家・石川梵は首都カトマンズへと飛び、そこで集めた情報の中から「震源地の村が壊滅」というたった1行を見つける。そのラプラックへは麓までジープで行って1泊、後は山岳地帯を徒歩。2200mの高地にあるラプラックまで丸2日かかってたどり着いた。村の家屋はすっかり破壊され、人々はさらに登ったところにできた避難キャンプに身を寄せ合って住んでいた。石川監督はこの劣悪な環境の中で、澄んだ瞳のアシュバドル少年とその家族に出会う。
家をなくしても、家族の愛情と笑顔の絶えないアシュバドル一家。愛する人を失っても神の加護を信じて立ち上がる人たち。雄大なヒマラヤの懐でつつましくも着々と営まれる暮らし。写真家の目でそんな人々と風景を切り取った石川監督は、多くの人に伝えるために初めてのドキュメンタリーを仕上げました。被写体と長い時間をかけて向き合い、かけがえない一瞬をキャッチしてきた石川監督が「これまでやってきたことの全部が入っています」という作品です。観終わった後にラプラックに可愛い友達ができた気分になります。
ドキュメンタリー作品を東劇で公開、というのは初めてでした。後で著作「フリスビー犬、被災地を行く」(飛鳥新社)を読んで、支援のため被災地を足繁く訪れていた石川監督と陸前高田の菅野さんとの出会いを知りました。被災者と黄色いハンカチと山田洋次監督をつなげたのは石川監督だったのですね。それが松竹とのご縁になったのか、と納得。
南太平洋のクジラ漁や被災地を写した写真集も見ることができました。こういうお仕事をしながら、さらにフットワーク軽く細やかな支援も続けているお人柄にすっかり感銘を受けました。2月にお話を伺うことができたこちらのインタビュー記事もぜひ御覧ください。(白)
2016年/日本/カラー/108分
配給:太秦
(c)Bon Ishikawa
https://himalaya-laprak.com/
★2017年3月25日(土)より銀座 東劇ほか全国順次公開
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