2017年02月19日

スプリング、ハズ、カム

spring.jpg

監督:吉野竜平
脚本:吉野竜平、本田誠人
撮影:清水絵里加
出演:柳家喬太郎(時田肇)、石井杏奈(時田璃子)、朴路美(夏川真希子)

広島でタクシー運転手をしている時田肇は、妻が亡くなってから一人娘の璃子を男手ひとつで育ててきた。この春、東京の大学へ進学することになった璃子と部屋探しのため、2月のある日二人で上京する。あちこちの不動産屋を回って場所や値段の折り合うところを探して歩く。新宿で働く妻の妹の真希子が昼休みに駆けつけてくれた。初めて一人ずつになる父と娘を気にかけてくれるが、肇はなんとかなるよと答える。

受験シーズンもほぼ一段落、春からの新生活を控えている方々も多いことでしょう。ちょうどこの作品のように、アパート探し中の親子もいるはず。初めて親元から離れる息子や娘、送り出す父と母。事件が起きるわけでもない、小さなエピソードを積み重ねたある一日のお話ですが二人には特別の日。自分が自立した日、あるいは子どもと別れた日を思い出してちょっとほっこりしたり、胸がきゅっとなったりします。人気落語家の柳家喬太郎師匠、堂々の映画主演。ご本人はこれが最初で最後と、自然体で「存在」されていたようです。
吉野竜平監督は『あかぼし』(2013)で注目されました。夫に出て行かれ、心が不安定になってしまった妻を朴路美さん。母を必死で支える小学生の息子が健気でした。今回は子離れ、親離れする寂しさがあるものの、それぞれの新しい生活に幸多かれと祈りたくなる暖かい作品です。チラシやHPも桜色です。(白)


2015年/日本/カラー/ビスタ/102分
配給:エレファントハウス
(C)「スプリング、ハズ、カム」製作委員会
http://springhascome.xyz/

★2017年2月18日(土)より新宿武蔵野館
2月25日(土)より渋谷ユーロスペース
その他 柳家喬太郎の落語会に合わせて、巡業ロードショー
posted by shiraishi at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック