2017年01月29日
虐殺器官(英語題:GENOCIDAL ORGAN)
監督・脚本:村瀬修功
原作:伊藤計劃
声の出演:中村悠一(クラヴィス・シェパード)、三上哲(ウィリアムズ)、梶裕貴(アレックス)、石川界人(リーランド)、大塚明夫(ロックウェル大佐)、小林沙苗(ルツィア・シュクロウポヴァ)、櫻井孝宏(ジョン・ポール)
クラヴィス・シェパード大尉は、アメリカ情報軍のある部隊で暗殺任務を遂行している。精鋭チームは「感情適応調整」「痛覚マスキング」の医療措置を施され、世界各地で紛争の首謀者を見つけ出しては迅速に排除していた。暗殺対象者リストにたびたび名前があがるのが、アメリカの言語学者ジョン・ポール。彼こそが世界中に暗殺の種を蒔いている張本人だという。クラヴィスはプラハでの潜入捜査を開始、ジョン・ポールの教え子で恋人とみなされているルツィアに接触する。
2009年に34歳の若さで病没した作家・伊藤計劃(いとうけいかく)が2007年に発表した長編デビュー作の映画化。制作会社の経営破たんにより制作が中断、公開が危ぶまれていましたが、新スタジオが立ち上がりこのほど公開にこぎつけました。
原作はSF愛好者の中でも評判が高く、カバー絵も新しくなった文庫版も出ています。まだ原作が読めず、アニメ化された本作しか観ていませんが、10年も前に書かれたのに、テロにおびえる現在を透視したかのような内容です。情報収集を徹底することで安全を守ろうとする先進諸国、一方激化する後進国の内戦や虐殺。それを操るジョン・ポールの理論とは?
戦闘場面では身体が吹き飛び、実写なら目をつぶるだろう場面が無駄のないクールな線と抑えた色で描かれます。クラヴィスとジョン・ポール、仲間との会話にウッと詰まるような鋭い真実があり、楔を打ち込まれた思いでした。伊藤計劃原作の映画作品(アニメ)は、2015年に『屍者の帝国』『ハーモニー』が公開されています。(白)
2016年/日本/カラー/115分
配給:東宝映像事業部
(C)Project Itoh/GENOCIDAL ORGAN
http://project-itoh.com/
★2017年2月3日(金)より公開
TOHOシネマズ新宿では3作品一挙上映のオールナイトイベントを予定。詳しくは公式サイトへ
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