監督:ロウ・イエ
原作:ビー・フェイユィ 脚本:マー・インリー 撮影:ツォン・ジエン
音楽:ヨハン・ヨハンソン 編集:コン・ジンレイ
出演:ホアン・シュアン、チン・ハオ、グオ・シャオトン 他
『スプリング・フィーバー』ロウ・イエ監督の、南京の盲人マッサージ院を舞台にした劇場公開新作。2014年、福岡で開催されたアジアフォーカスでも上映された http://cinemajournal-review.seesaa.net/article/404154699.html 幼少期に事故に遭い視力を失った青年、目が不自由だが見合いを繰り返す院長、美人すぎる盲人マッサージ師など、様々な視覚障害者の人間模様を描く。目の不自由な人たちにとって美とは?愛とは?生きるとは?
『スプリング・フィーバー』に比べたら多少明るく思える今回のロウ・イエ作品。とは言え相変わらず暗いし黒いし雨降りシーンが多い…。そのドシャ降りシーンに切なく流れるヨハン・ヨハンソンの音楽が印象的。中国のひとりっこ政策により現在、国内に約1億人いるといわれるセクシャル・マイノリティだが盲人もマイノリティであり、その立場は非常にあやういようだ。しかし、目が見えないからこそ、そのひとの本当がわかると言う。そして日常生活を送り、生きてゆく。障害は先天的なものと後天的な場合とがある。私の母も0歳の時、水の事故で聴覚を失い、右耳が少し聴こえるだけで、ほぼ先天的な障害者。けれども「むしろ、これで充分」だと昔から言っていた。しょうがいとは障害なのか?健常者とは何者を指すのか?聴覚障害者の子どもである私は健常者なのか?私は小さい頃から、このことについてずっと疑問に思っていた。自分の中で答えが見つからないのだ…いまだに…。ヘレン・ケラーの言葉 ”闇は不滅の魂の躍進を阻むものではありません” が思い起こされた。原作も是非読んでみたい。劇場公開初日にロウ・イエ監督の大ファンを公言しているサニーデイ・サービスの曽我部恵一さんによるトークショーが約15分ほどあり、そのレポートはスタッフBLOGに近々UPします!! (千)
この作品、曽我部さんが言われるように、「美しいもの」に辿り着くまでが重い…。ひたすら重い…。重すぎて、 目をそむけたい。オラはこんなの見るのヤダ、耐えきれん、どうにかしてっ!と叫んでみてもどうにもならず、見る端から忘れたいのに、なぜ かいつまでも忘れられないような…ホントに嫌になる映画でした。嫌なんだけど、これは大傑作と言われると、「なるほどーそうかーそうかも なーそうなんだべなー、んだんだ、そうにちげえねー」と、潜在意識のほうから認めてしまいそう。そんなに美しくなくてもいいから、こんな につらくなければいいのにー。 (せ)
2014年/中国、フランス/115分/中国語/カラー/1:1.85/DCP
日本語字幕:樋口裕子 配給・宣伝:アップリンク
公式サイト http://www.uplink.co.jp/blind/
★2017年1月14日より渋谷アップリンクほか全国順次公開