2016年12月23日

ルキーノ・ヴィスコンティ 生誕110年 没後40年メモリアル ―イタリア・ネオレアリズモの軌跡― 『郵便配達は二度ベルを鳴らす』『若者のすべて』『揺れる大地』

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名門貴族の末裔であるルキーノ・ヴィスコンティ(1906〜76)。中・後期の作品はその出自ゆえ創り得た絢爛豪華なもの。一方、前期には自身の階級と相反する社会の底辺の人たちが必死に生きる姿を描いている。今回上映される3作品は前期のもの。庶民の悲哀がずっしりと迫ってくるが、圧倒的な映像美は初期から一貫している。

(製作年度順)
『郵便配達は二度ベルを鳴らす デジタル修復版』(1942年製作)★監督デビュー作
『揺れる大地 デジタル修復版』(1948年製作)
『若者のすべて デジタル修復完全版』(1960年製作)

以下、上映日程順に紹介します。

◆『若者のすべて デジタル修復完全版』
原題:ROCCO E I SUOI FRATELLI
出演:アラン・ドロン、レナート・サルヴァトーリ、アニー・ジラルド、他
音楽:ニーノ・ロータ

今回上映される「179分完全修復版」は、マーティン・スコセッシ設立のザ・フィルム・ファンデーションとグッチの資金提供によりフィルムを4Kで修復、2015年に完成した「デジタル4Kリマスター版」。劇場では4K完全修復版マスターから変換した2Kで上映。
2015年第68回カンヌ国際映画祭カンヌ・クラシックスにてワールドプレミア上映。

父が亡くなり、南の村から長男の住むミラノにやってきた母親と四人の息子たち。長男は都会の女性と婚約し当てにならない。折りしもの大雪に雪かきで日銭を稼ぐしかない兄弟。
大都会で生きる術を模索する姿や、兄弟の愛憎を描いた大河ドラマ。

原題は、『ロッコと彼の兄弟たち』。アラン・ドロンが演じた三男ロッコが、物語の核となっている。ドゥオーモ(ミラノ大聖堂)の屋上で、愛する彼女との別れを決意するロッコ。アラン・ドロンの目から一筋の涙がこぼれる様の何と美しいこと!

1960年/イタリア=フランス/179分/モノクロ/ヨーロピアン・ヴィスタ/モノラル
日本初公開:1960年12月27日(イタリフィルム配給 旧・日比谷映画劇場)
完全版/1982年6月8日(東宝東和配給 俳優座劇場)
★2016年12月24日(土)から新宿武蔵野館ほか全国で順次開催


◆『郵便配達は二度ベルを鳴らす デジタル修復版』
原題:OSSESSIONE
原作:ジェイムズ・ケイン 
音楽:ジュゼッペ・ロザーティ
出演:クララ・カラマイ、マッシモ・ジロッティ、フアン・デ・ランタ、他

現存する最良の35mmネガコピーと、近年発見されたオリジナル・ネガから現像されたポジフィルムを元に、CSC-CINETECA NAZIONALE(ナショナル・フィルム・アーカイヴ)と、Ripley’s Film、Viggoのコラボレーションにより修復され、2016年6月に完成した「デジタル2Kリマスター版」

監督デビュー作。ジェームズ・M・ケインの原作を、舞台を北イタリアの田舎町に置き換えて製作。食堂を営む初老の夫と年の離れた女ざかりの妻。精悍な流れ者に妻が惚れたことから起こる悲劇。

1942年/イタリア/126分/モノクロ/スタンダード/モノラル
日本初公開:1979年5月26日(インターナショナル・プロモーション配給 有楽シネマ)
★2017年1月7日(土)から新宿武蔵野館ほか全国で順次開催


◆『揺れる大地 デジタル修復版』 
原題:LA TERRA TREMA (EPISODIO DEL MARE)
原案・脚本:ルキーノ・ヴィスコンティ
出演:アントニオ・アルチディアコノ、ジュゼッペ・アルチディアコノ、アントニオ・ミカーレ、他
音楽選曲:ルキーノ・ヴィスコンティ、ヴィリー・フェッレロ

CSC-CINETECA NAZIONALE (ナショナル・フィルム・アーカイヴ)と、Ripley’s Film、Viggoのコラボレーションにより、2016年3月に完成した「デジタル2Kリマスター版」。

シチリアの漁村。父を海で亡くし一家を支える長男。仲買人に搾取されていることに疑問を持ち、家を抵当に入れて船を買う。大漁の鰯に喜び、家族総出で鰯加工に勤しむが、嵐の日に海に出て船を失ってしまう。
家を差し押さえられ、行き場のなくなった一家の悲哀がずっしり迫ってくる。
どこかで観たと思ったら、『ニュー・シネマ・パラダイス』で、映画館でこの映画が上映されている場面がありました。
シチリア、アーチ・トレッツァの漁村で撮影。出演者もすべて住民からキャスティング。台詞はシチリア方言で標準語字幕をつけて上映という徹底したリアリズムにこだわった力作。

1948年/イタリア/160分/モノクロ/スタンダード/モノラル
日本初公開:1990年1月19日(日本ヘラルド映画配給 銀座文化劇場)
★2017年1月21日(土)から新宿武蔵野館ほか全国で順次開催


ルキーノ・ヴィスコンティ 生誕110年 没後40年メモリアル
配給:アーク・フィルムズ/スターキャット
公式サイト:http://www.visconti-neo.com/
posted by sakiko at 13:59| Comment(0) | TrackBack(0) | イタリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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