2016年10月02日

アルジェの戦い  デジタルリマスター/オリジナル言語版   原題:La Battaglia Di Algeri

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監督:ジッロ・ポンテコルヴォ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ジャン・マルタン、ヤセフ・サーディ、ブラヒム・ハギアグ

1954年から1962年にかけての、フランス支配に対するアルジェリアの独立戦争。
本作は、ユダヤ人で、ジャーナリスト出身のジッロ・ポンテコルヴォ監督が、記録映像を一切使わず、目撃者や当事者の証言、残された記録文書をもとにリアルな劇映画として戦争の実体をドキュメンタリー・タッチで再現したもの。
アルジェリア市民8万人が撮影に協力。戦車、武器類はアルジェリア軍より調達。フランス映画『望郷』の舞台となったアルジェのカスバでオールロケを敢行し、5年の歳月をかけて作られた。
1966年ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した折には、フランス代表団が“反仏映画”として、映画監督フランソワ・トリュフォーを除く全員が会場を退席。賛否両論を巻き起こした衝撃作。製作50周年を機に、デジタルリマスター/オリジナル言語版での公開。

1970年代後半のチリにおける政治的緊張と社会主義政権の終焉を記録したドキュメンタリー『チリの闘い』(パトリシオ・グスマン監督、1975年〜78年製作、2016年9月10日公開)は、実際の民衆のほとばしる動きを撮影したものだった。本作『アルジェの戦い』は再現したものながら、独立戦争直後に、実際に独立戦争を経験したアルジェリアの人々が係わったものだけに、まるで実録のような迫力がある。
理不尽な権力者に、自分たちの思いをぶつける姿に涙が出る。それは今もシリアやパレスチナをはじめ、各地で続いている人々の戦い。平穏に暮らしていることに感謝しつつ、いつ、我が身にふりかかるかもわからないことも覚悟しないといけないと思う。(咲)


この有名な作品を観たことがなくずっと気になっていたけど、今回リマスター版が作られ、やっと観ることができた。長く続いたアルジェリア独立への戦いを描いていて歴史の復習にもなった。圧倒的な力を持つフランスに対して、FLN(アルジェリア民族解放戦線)の様々な抵抗の行動が描かれる。しかし、警察や軍、警備隊を総動員したフランスに壊滅させられてしまった。でもまた、住民たちが立ち上がり行動を始める。最後、たくさん群衆によるデモ行動が圧巻だった。劇中「戦争も革命も同じだ。テロが有効なのは最初だけ。勝利を決めるのは民衆の行動だ」と語るFLN幹部の言葉が実現しとうとう独立を勝ち得た。この時代のカスバの雰囲気も見ることができた。(暁)

★初日 井筒和幸監督のトークショー!
10月8日(土)18時の回終映後〜20時頃より(30分程度)
【場所】新宿K's cinema 新宿区新宿3−35−13 SHOWAKANビル3F

高校生の時、京都でこの映画に出会ったという井筒監督に、この映画を観たときの思い出やその当時の世相、そして半世紀を経て再びこの映画を観ていただいての感想などを語っていただく予定とのことです。


1966年/イタリア=アルジェリア/モノクロ/121分/フランス語・アラビア語
配給 コピアポア・フィルム
公式サイト:http://algeri2016.com/
★2016年10月8日(土)新宿K’s cinemaにてロードショー
posted by sakiko at 09:25| Comment(0) | TrackBack(0) | イタリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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