2016年09月19日

将軍様、あなたのために映画を撮ります 原題 The Lovers and the Despot

将軍様、あなたのために映画を撮ります_R.jpg

(C)2016 Hellflower Film Ltd/the British Film Institute

監督 ロス・アダム、ロバート・カンナン
出演 チェ・ウニ、シン・サンオク、キム・ジョンイル

孤独な独裁者が愛したもの、それは映画だった
韓国人映画監督と女優は北朝鮮に拉致され、どのようにして生還できたのか


1978年に発生した韓国の国民的女優崔銀姫(チェ・ウニ)と映画監督申相玉(シン・サンオク)の北朝鮮への拉致事件を追ったドキュメンタリー。香港で行方不明になった崔銀姫。その真相を探ろうと香港に行った元夫の申相玉監督。監督も行方不明になった。真相は映画マニアであった北朝鮮の故金正日(キム・ジョンイル)書記が映画を製作するため2人は拉致されたのだった。しかし2人は1983年に再会するまで、お互いに拉致されているとは知らされてなかった。
申相玉監督は自由に撮影出来る環境下で映画を製作し、北朝鮮で17本の映画を撮った。日本人スタッフも参加し、日本でも公開されたことがある『プルガサリ 伝説の大怪獣』(1985年製作、日本公開は1998年)もシン監督の手によるもの。
1986年、映画祭に参加するためウィーン滞在中に2人はホテルを脱出してアメリカ大使館に保護され、その後韓国に戻った。そのおよそ8年に渡る北朝鮮での日々を、崔銀姫自身や事件を調査した元CIA職員など関係者へのインタビューでひも解く。また申相玉監督自身が密かに録音した金正日とのやりとりを録音したものなど貴重な証拠も出てくる。

この事件のことは昔から語られてきたのですごく気になっていた。北朝鮮脱出から30年たち、やっと公表できるものもあったのだろう。なによりびっくりしたのは金正日の肉声が録音されたテープの存在。よく録音機やテープが没収されなかったものだと思う。申相玉監督は北朝鮮では17本の作品を撮ったが、韓国に戻ってからは『政治犯・金賢姫/真由美 』(1990)など数本撮っただけ。韓国に戻ってから映画はほとんど撮れなかったという皮肉も描かれる。(暁)

左から申相玉監督、金正日、崔銀姫.jpg
左から申相玉監督、金正日、崔銀姫
(C)2016 Hellflower Film Ltd/the British Film Institute


映画好きの金正日に拉致され、北朝鮮で映画を製作していた韓国の監督と女優がいることはよく知られた話でしたが、本作でかなり詳しい経緯を知ることができ、興味津々でした。
拉致されたのが1978年、香港でのこと。拉致された申相玉監督が香港で撮影した映画の一部が出てきて、当時の香港の風景が懐かしい限りでした。私が初めて香港を訪れたのが1979年。まさにその時に観た香港だった次第です。(咲)


2016年9月24日 ユーロスペースほか、全国順次公開
2016/イギリス 配給 彩プロ
公式HP http://www.shouguneiga.ayapro.ne.jp/
posted by akemi at 08:49| Comment(0) | TrackBack(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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