2016年09月11日
とうもろこしの島 原題:Simindis Kundzuli
監督:ギオルギ・オヴァシュヴィリ
キャスト
老人:イリアス・サルマン
少女:マリアム・ブトゥリシュヴィリ
ジョージア兵:イラクリ・サムシア
アブハジア士官:タマル・レヴェント
黒海に流れるエングリ川の中洲にとうもろこし畑を作る老人。両親を亡くした孫娘を引き取り、二人暮らしだ。ある日、とうもろこし畑に負傷した兵士を見つける。言葉が通じない兵士を老人と少女は匿う。このエングリ川は、ソ連崩壊後に成立したジョージア(グルジア)からの独立を目指すアブハジアとの境にある。ジョージア、アブハジア、ロシアの兵士が行き交い、銃弾が飛び交うこともある。1992年ごろのことだ。
やがて暴風雨が中州を襲う・・・
2014年の東京国際映画祭で『コーン・アイランド』の題で上映された作品。
少女が匿った兵士に話しかけると、ジョージア語で「アブハズ語はわからない」と字幕が出る。老人と少女はアブハズ人、兵士はジョージア人らしいとわかる。分け隔てなく負傷した兵士を世話する少女の姿に、もともとは、この地でも違う民族が平穏に共存していたことを思わせてくれる。自分と異なる者に対して、嫌悪感や対抗心を持って戦うようになるのは、それによって利益を得る者の存在があるからだと思うけど、その姿が末端で戦う者に見えにくい。犠牲になる多くは、その末端で戦う人たちなのに。(咲)
2014年/ジョージア・ドイツ・フランス・チェコ・カザフスタン・ハンガリー合作/100分/カラー/アブハズ語・ジョージア語・ロシア語/シネスコ
配給:ハーク
後援:在日ジョージア大使館
『とうもろこしの島』『みかんの丘』2作品共通公式サイト
http://www.mikan-toumorokoshi.info/
★2016年9月17日(土)より11月11日(金)まで岩波ホールにて 全国順次公開
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