2016年08月13日

栄光のランナー 1936ベルリン(原題:Race)

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監督:スティーブン・ホプキンス
脚本:ジョー・シュラップネル、アナ・ウォーターハウス
撮影:ピーター・レヴィ
出演:ステファン・ジェームス(ジェシー・オーエンス)、ジェイソン・サダイキス(ラリー・スナイダー)、ジェレミー・アイアンズ(アベリー・ブランデージ)、ウィリアム・ハート(エレミア・マホニー)、カリス・ファン・ハウテン(レニ・リーフェンシュタール)、シャニース・バンタン(ルース・ソロモン)

貧しい家庭に生まれたジェシー・オーエンスは中学時代から陸上選手として才能を発揮し、家族の期待を背言ってオハイオ州立大学に進学する。そこで陸上コーチのラリー・スナイダーに出会い、さらに記録をのばし、人種を越えてかたい友情の絆で結ばれていく。オリンピック出場を目指すスナイダーの指導のもと、ジェシーは陸上競技会で45分間に新記録3つ、タイ記録1つという目覚ましい記録を打ち立てる。
1936年、ベルリンでのオリンピック開催が予定されていたが、ヒトラーが政治利用しているとして各地でボイコットの動きが盛んであった。黒人地位向上委員会からの働きかけもあり、黒人選手のジェシーはユダヤ人と有色人種を迫害するヒトラー政権のオリンピックに参加すべきか苦悩する。

実在の陸上選手ジェシー・オーエンスが、人種差別を受けながらも良き指導者を得てベルリンオリンピックに出場、素晴らしい成績を収める感動作です。アメリカでボイコット賛成派と反対派に分かれ、ブランデージ会長がドイツを訪問したうえで議論した経緯がわかりました。
ヒトラーに気に入られた女性監督レニ・リーフェンシュタールが代表作品『オリンピア』を撮影する様子もあり、氷のような雰囲気のナチスの宣伝相ゲッベルスとアメリカ側の間に立ち、通訳する場面はスリリングです。ナチスの資金をつぎ込んで作られた『オリンピア』の映像はこの作品の中にも挿入されていて、日本選手の活躍ぶりも見られます。
大観衆を前にして記録の出せる選手たちの精神力の強さに感心すると同時に、ドイツの走り幅跳びのルッツ・ロングとジェシーとのスポーツマンらしい交流に胸が熱くなりました。ジェシーを演じたステファン・ジェームスの日本で公開された作品は今のところ『グローリー 明日への行進』しか見当たりません。精悍な印象のジェシー本人より愛嬌のある親しみやすい顔立ちで、これから公開作が増えそうです。

1980年のモスクワオリンピックを日本がボイコットしたニュースは、この日のために準備していた選手団が気の毒でよく覚えています。ソ連のアフガニスタン侵攻を批判したアメリカがボイコット推進派で、日本も従わざるを得なかったと記憶しています。後にアメリカでのオリンピックをお返しとばかりにボイコットした国々もありました。多くの選手たちが涙を飲んだはず。ひとつしかない地球なのに、争いが止むことはないのでしょうか。(白)


2016年/アメリカ・ドイツ・カナダ合作/カラー/シネスコ/134分
配給:東北新社、STAR CHANNEL MOVIES
(C) 2016 Trinity Race GmbH / Jesse Race Productions Quebec Inc. All Rights Reserved
http://eiko-runner-movie.jp/
★ 2016年8月11日(木・祝)ロードショー
posted by shiraishi at 10:36| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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