2016年06月26日

ブルックリン(原題:Brooklyn)

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監督:ジョン・クローリー
原作:コルム・トビーン
撮影:イヴ・ベランジェ
脚本:ニック・ホーンビィ
出演:シアーシャ・ローナン(エイリシュ・レイシー)、ジュリー・ウォルターズ(キーオ夫人)、ドーナル・グリーソン(ジム・ファレル)、エモリー・コーエン(トニー・フィオレロ)、ジム・ブロードベント(フラッド神父)、ジェーン・ブレナン(メアリー・レイシー)、フィオナ・グラスコット(ローズ・レイシー)

アイルランドの田舎町で母と姉ローズと暮らすエイリシュ・レイシー。街に女性の働く場所は少なく、エイリシュは口うるさい女主人の店で我慢しながら働いている。大人しく控えめなエイリシュは、会計士をしている美人で聡明な姉ローズを尊敬し憧れていた。そんな妹にチャンスを、とローズはアメリカに行って働くことを薦める。思い切って渡米したエイリシュは、姉の知り合いのフラッド神父の口利きで、ニューヨーク、ブルックリンのキーオ夫人の下宿に住み、高級デパートの店員となった。しかし故郷とあまりにも違う環境に、自信を失いホームシックになってしまう。
心配した神父の薦めで大学の会計士コースを受講し、アイルランド出身者のダンスパーティに参加したエイリシュは、イタリア系の青年トニーに出会った。次第に自信と笑顔を取り戻していった矢先、故郷から悲報が届く。

1950年代にアイルランドからアメリカに渡った少女が職を得て、恋人に巡り合い、成長していくストーリーが前半。一度懐かしい故郷に戻り、悲しい思いをする反面、新しい出会いに心揺れるのが後半。人生はいろいろな岐路に立ち、どの方向に行くか選択・決断する連続だと思いますが、この物語もまさにそうです。ヒロインのエイリシュ本人だけでなく、周りの人々の決断も互いに影響しあいます。エイリシュに渡米を薦めたローズは、自分が残るほうを選びますし、大勢の中からエイリシュに声をかけたトニーもまた選択しているわけです。エモリー・コーエン演じる明るくて愛嬌のあるトニー、ドーナル・グリーソン演じる家柄の良い落ち着いた物腰のジムの二人…あなたもきっと「う〜〜む」と迷ってしまうはず。

シアーシャ・ローナンはニューヨーク生まれですが、3歳で両親の故郷アイルランドに戻っています。新天地を求めて海を渡った祖父母や両親世代のことなので、深く理解したようです。すっかり大人の女性になった彼女がほんとに美しいです。心情と成長ぶりが現れる彼女の衣装にもぜひ注目を。エイリシュのコートはアイルランドのナショナルカラーの緑。故郷と共にあるかのように自分を守るようにきっちりと着ています。この緑がとても目立ちます。
作品中で歌われるアイルランド語の民謡が哀切で印象に残りました。ホームレスの老人たちに食事がふるまわれるシーンです。国を捨てて出てきてきつい労働をしてアメリカに貢献したけれど、仕事がなくなって貧しくなり、かといって帰るところもない移民たちです。少女の成長とラブロマンスだけでなく、アメリカにやってきた移民の歴史やアメリカとの関わりも知ることのできる作品でした。(白)


2015年/アイルランド、イギリス、カナダ合作/カラー/ビスタ/112分
配給:20世紀フォックス映画
(C)2015 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
http://www.foxmovies-jp.com/brooklyn-movie/
★2016年7月1日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 18:06| Comment(0) | TrackBack(0) | アイルランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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