2016年05月01日

サンマとカタール 女川つながる人々

sanmazatar.jpg

監督:乾弘明(『平成職人の挑戦』『蘇る玉虫厨子』『海峡をつなぐ光』『李藝』)
ナレーション:中井貴一
エンディングテーマ:『光−女川リミックス』 幹miki

宮城県女川町。石巻線の終着駅で、牡鹿半島の付け根にあるサンマの水揚げで有名な美しい港町。
2011年3月11日に起こった東日本大震災。町は根こそぎ津波にのまれてしまう。1万人の住民の1割近くが犠牲になり、8割以上が住まいを失った。何もなくなってしまった町の中心の更地に、中東カタールの義捐金で津波に対応できる冷凍冷蔵施設「マスカー」を建設する。町の真ん中にどんと建つマスカーは、復興への希望の灯となる。
水産業をけん引する若いリーダーたちは、カタールへのお礼の気持ちも込めて、ハラール(イスラームの教えに沿った)のサンマや水産物の加工品を試作しカタールを訪れる・・・

本作は、カタールの義捐金を取り付けマスカー建設に奔走した女川魚市場買受人協同組合の石森洋悦さん、必死になって新しい町づくりのためにまい進している若者たちの代表として、復幸祭の実行委員長の阿部淳さん、そして、その新しい町に住む住民代表として阿部由理さんに焦点を当てて、大災害に見舞われた人々が、どんな思いで今を生きているかをあぶりだしていきます。女川町の須田善明町長も、行政側として、町づくりを担う人たちと一体となって動かれている様子が描かれています。

3月、若者たちが立ち上げた復幸祭で、「お〜い逃げろ!」の掛け声と共に山に向かって走るマラソン大会。津波の経験をいつまでも後世に伝えたいという気持ちが伝わってきます。復興ではなく、復幸という文字を使っていることにも、幸せな暮らしを取り戻したいという思いを感じて、じ〜んとさせられます。
5年前の、この東日本大震災の記憶もまだ新しい中で起こった熊本地震。また多くの方がこれまでの平穏な暮らしを奪われてしまいました。できるだけ早く安心して暮らせる日々を取り戻されることを祈るばかりです。
日本列島、いつどこで災害が起こるか予測がつきません。明日は我が身。当事者になった時に対応できるかどうか不安です。立ち直る原動力がいざとなったら沸き起こるでしょうか・・・ そんな時には『サンマとカタール』の若者たちを思い出して頑張れればと思います。

それにしても、『サンマとカタール』というタイトル、とても響きがよくて、いったいどんな映画?と、昨年来facebookで何度も見ていて気になっていました。日本イラン合作映画『風の絨毯』以来、映画作りまっしぐらの益田祐美子さん(本作のプロデューサー)が、思いついたに違いないと推測していたら、やっぱりそうでした。明るくほがらかな笑顔で資金をひねり出す益田さんと、沈着冷静な乾監督は、これまでにもタッグを組んで『平成職人の挑戦』『蘇る玉虫厨子』『海峡をつなぐ光』『李藝』と4本の映画を作っていて、本作が5本目。さて、次のテーマは?(咲)


★乾監督が日本経済新聞のウェブ版のNIKKEI STYLEに寄稿されています。
ぜひお読みください。
「町は住民にしかつくれない」 復興目指す宮城・女川
ドキュメンタリー映画「サンマとカタール」、監督・乾弘明


★3月7日に開かれた完成披露試写会の様子はスタッフ日記でどうぞ!
DSCF3406 sannma qatar.JPG

後援:宮城県/女川町/河北新報社 
制作:花組 
製作:日本カタールパートナーズ/平成プロジェクト 
配給:東京テアトル
公式サイト:http://onagawamovie.com
2016年/日本/73分/カラー/ビスタサイズ

★2016年5月7日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町他、全国順次公開
posted by sakiko at 13:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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