2016年03月13日

木靴の樹  原題:L'albero degli Zoccol

kigutsu.jpg

監督・脚本・撮影・編集:エルマンノ・オルミ
出演:ルイジ・オルナーギ、フランチェスカ・モリッジ、オマール・ブリニョッリ

19世紀末、北イタリア、ベルガモの農村。厳しく搾取する大地主のもとで、肩を寄せ合うように暮らすバティスティ、アンセルモ、ブルナ、フィナールの4家族。彼らは貧しく、土地も住居も農具さえ地主のものだった。
バティスティ家の息子ミネクは、ドン・カルロ神父の勧めで小学校に通うことになる。当時の農村では異例のことだったが、6キロの道のりを歩いての通学。ある日、木靴が壊れてしまい、父親は川沿いのポプラの樹を切って木靴を作る。そのポプラもまた地主のものだった。
アンセルモ家は、夫に先立たれたルンク未亡人が洗濯女をしながら6人の子どもたちを育てている。畑仕事をしているアンセルモじいさんは、畑に鶏の糞を撒くとトマトが誰よりも早く収穫できることを末娘ベッティーナにこっそり教えている。
けちなフィナールは、とうもろこしの計量の日がくると、馬車の引き出しに小石を詰め込んでごまかしている。
ブレナ家の美しい娘マダレーナは勤務先の紡績工場で知り合ったステファノ青年に見初められて結婚する。新婚旅行でミラノに行った二人は、修道院にいる伯母を訪ね、捨て子を引き取り、その代償に養育費を受け取ることになる。
春が近づき、アンセルモじいさんのトマトが他の畑より1週間早く真っ赤に熟す。ベッティーナを連れて町にトマトを売りに行って帰ってくると、バティスティ一家がなけなしの家財道具を馬車に積み込んでいる。ポプラの樹を切ったことを地主からとがめられたのだ。日が暮れて農場を去るバティスティ一家を、ほかの3家族は家の中から息を殺すようにして見送るのだった・・・

1978年カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したエルマンノ・オルミ監督の名作が、最新作『緑はよみがえる』が4月23日(土)から公開されるのを記念して、リバイバル上映されます。
ベルガモ地方出身のオルミ監督が、小さい時に祖母から聞いた昔話をもとにした物語。出演者は全てベルガモの農民たち。
寒い冬の夜、4家族が一部屋に集まって語り合う場面に、貧しいながら隣人とささえあって暮らす人たちのあたたかい心を感じました。
それと対照的に、容赦なく搾取する地主。
小船に乗ってミラノの町に行った新婚夫婦が、雇用主に声をあげたために連行されていく労働者たちの姿を見かけます。
この場面にも、理不尽な思いをしている人たちへのオルミ監督の眼差しを感じました。
心に響く名作を再びスクリーンで観られることに感謝! (咲)


1978年/イタリア/カラー/スタンダード/187分/DCP
配給:ザジフィルムズ
公式サイト:http://www.zaziefilms.com/kigutsu/
★2016年3月26日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショー

posted by sakiko at 20:32| Comment(0) | TrackBack(0) | イタリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック