2016年01月16日
最愛の子(原題:親愛的)
監督:ピーター・チャン
脚本:チャン・ジー
撮影:チョウ・シューハオ
音楽:レオン・コー
出演:ヴィッキー・チャオ(リー・ホンチン)、ホアン・ボー(ティエン・ウェンジュン)、トン・ダーウェイ(カオ・シア)、ハオ・レイ(ジュアン/ルー・シャオジュアン)、チャン・イー(ハン)、キティ・チャン(ファン・ユン)
2009年の中国広東省シンセン。ネットカフェを経営しているティエンは、妻と別れて3歳の一人息子ポンポンと暮らしている。ある日ポンポンは友だちと遊んでいるときに、母親の車を見かけて後を追っていく。なかなか戻らない息子を探し、元妻のジュアンと警察に知らせるティエン。ようやく駅の防犯ビデオに見知らぬ男と一緒にいるポンポンの映像が見つかるが、手がかりはとぎれてしまう。わが子を探しながら励ましあう親たちの会にも入会し、探し続けて3年、遠く離れた安徽省の農村でポンポンらしい子がいるとの情報が入った。
誘拐犯はすでに病死して、妻のホンチンが一人で育てていた。駆けつけるティエンとジュアンだったが、6歳になったポンポンに実の親の記憶はなく、ホンチンを慕って泣くばかり。ホンチンは自分が不妊症のため、夫が愛人に産ませた子と信じてジーガンと名づけ、3年の間実の子のように可愛がっていた。
中国では実際に子どもの誘拐事件が多発し、ピーター・チャン監督はそれを報じたテレビ番組を見て、この作品を作ったのだそうです。前半は誘拐されたわが子を探す両親、後半は突然実の親に子どもを連れていかれた母親が、会いたいと追いかけるストーリーです。必死に手を尽くして探し続ける父親をホアン・ボー。育ての親ホンチンをヴィッキー・チャオ。テレビドラマ「環珠格格」(1998)でおてんばな姫様だった小燕子も、大きな子のお母さん役ができる年頃になりました。出身地の安徽省方言を駆使し(聞き分けられませんが、東北の方言かな)すっぴんで演じています。
どちらの話も哀切で、やりきれない思いになるのですが、ピーター・チャン監督は実話とは違うラストを加えて、さらに印象深くしていました。最後に流れる「親愛的小孩」は香港のディニー・イップとアンディ・ラウが親子として共演した『法外情』(1985年/香港)の主題歌。懐かしい〜。(白)
2014年/中国・香港/カラー/シネスコ/130分
配給:ハピネット/ビターズ・エンド
(C)2014 We Pictures Ltd.
http://www.bitters.co.jp/saiainoko/
★2016年1月16日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
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