2015年12月17日

ディーン、君がいた瞬間(とき)(原題:Life)

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監督:アントン・コービン
脚本:ルーク・デイビス
撮影:シャルロッテ・ブルース・クリステンセン
音楽:オーウェン・パレット
出演:デイン・デハーン(ジェームズ・ディーン)、ロバート・パティンソンデニス・ストック)、ジョエル・エドガートン(ジョン・モリス)、ベン・キングズレー(ジャック・ワーナー)、アレッサンドラ・マストロナルディ(ピア・アンジェリ)

1955年、気鋭の写真家、デニス・ストックはまだ無名の新人俳優ジェームズ・ディーンに出会った。恋人の女優の方が話題になる彼に、デニスは特別の輝きを見つける。フォトエッセイを作りたいとかけあうが上司はいい顔をしない。しかしストックはディーンに密着、ロサンゼルス、ニューヨークでの彼を撮影し、ディーンに誘われて彼の故郷インディアナまで旅をする。デニスはこれまで誰も撮らなかったディーンの素顔、取り戻せない一瞬をカメラに収めていった。

あまりにも早く駆け抜けて行ってしまったジミーこと、ジェームズ・ディーンとカメラマンとの2週間のふれあいに的を絞った作品。コートの襟を立て、くわえ煙草で寒そうに肩をすぼめて歩くジミーの写真をどこかで目にしたことはありませんか?このときにデニス・ストックが撮影し、「LIFE」に掲載された写真のうちの一枚です。
「伝説」と呼ばれる、今も皆の心の奥にいるジミーを演じるのに、ひるまない俳優がいるでしょうか? 自身もジミーのファンだというデイン・デハーンが監督の申し出を5回も断ったというのも無理ありません。デニス役のロバート・パティンソンも「僕はやらない。彼は勇気があるよ」と言っているほどです。
できるだけ似せたとしても、どうしても本人にはなれないのですから、俳優にできるのはどれだけ魂を近づけていけるかということでしょう。インディアナに向かう車中で、ジミーが死んだ母親について語るシーンが出色です。ポートレイトカメラマンでもあるアントン・コービン監督が細かく指示したのでは、と思ったシーンでした。デイン・デハーンの美しい瞬間もここに刻まれています。 (白)


東京国際映画祭の特別招待作品として上映された折に、アントン・コービン監督が来日。
ドキュメンタリー映画『アントン・コービン 伝説のロック・フォトグラファーの光と影』を観て、アントン・コービンの撮る写真にぐっと惹かれた私。ぜひ、本人に会いたい!と舞台挨拶に駆け付けました。身長190cm以上! さすが、オランダ人、背が高いです。
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10月24日(土)11時 新宿バルト9にて

監督を依頼された時の思いを聞かれたアントン・コービン、「私はカメラマンとして40年。正直いってジェームズ・ディーンよりも写真家のデニスのほうに興味がありました。デニスに共感し、デニスと被写体との関係にも興味を持ちました。それがジェームズ・ディーンなので、さらに面白い作品になったと思います」と語りました。 実は私もジェームズ・ディーンよりもアントン・コービンが監督したことに興味があって映画を観ました。ジェームズ・ディーンが短い人生の中で思い切り輝いた裏で寂しい思いもしていたことを感じて切なくなりました。写真家デニス・ストックの思いもきめ細かく描いたのは、やはりアントン・コービン自身が写真家だからこそでしょう。
フォトセッションの時に、MCから「どうぞ笑ってください」と言われ、「私は被写体に笑って〜と一度も言ったことがありません」とアントン・コービン。そう! 彼の撮る被写体は、キッと正面を睨みつけていて、ぞくっとさせられるのです。なるほど〜 笑ってと言わないんだ! 舞台挨拶に行った甲斐がありました。(咲)


2015年/カナダ・ドイツ・オーストラリア/カラー/シネスコ/112分
配給:ギャガ
http://dean.gaga.ne.jp/
Photo Credit: Caitlin Cronenberg,(C)See-Saw Films
★2015年12月19日(土)シネスイッチ銀座他全国ロードショー
posted by shiraishi at 13:10| Comment(0) | TrackBack(0) | カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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