監督・脚本:阿久根知昭
原作:安武信吾、安武千恵、安武はな
撮影:寺田緑郎
音楽:石橋序佳
主題歌:一青窈「満天星」
出演:広末涼子(安武千恵)、滝藤賢一(安武信吾)、赤松えみな(安武はな)、一青窈(松永志保)、紺野まひる(吉村奈津子)、原田貴和子(片桐医師)、平泉成(松永和則)、赤井英和(松尾陽一)
わたしたちをつなぐ、
おいしくてあったかい記憶
信吾と千恵はめぐりあって恋人同士になった。ある日胸にしこりをみつけ検査にいくと「悪性」と告げられた。信吾は二人で病気と闘おうとプロポーズする。放射線治療をすると妊娠は望めず、千恵は子どもを持つことを諦めていたが、思いがけず小さい命を授かったことがわかった。娘に「はな」と名づけ、3人の幸せな毎日が続くかと思われたが、がんは再発・転移していた。千恵は小さなはなに、鰹節を削り、昆布を鍋に入れだしをとることを教える。食事を大切にすること、これからはなが朝のおみそ汁をつくることを約束させた。
33歳でがんのために亡くなられた安武千恵さん。夫の信吾さん、娘のはなちゃんとの短い日々を大切にして、ちゃんと食べてちゃんと生きることを伝え、かけがえのない記憶を残していかれました。一人娘の成長を見届けたかったでしょうに、どんなにか心残りだったことかと親の気持ちになって観てしまいました。
広末涼子さん、滝藤賢一さんの夫婦役が意外にも(?)とてもお似合いでした。主題歌を書き下ろした一青窈(ひととよう)さんが姉役で出演。はなちゃん役として1000人もの候補者の中から選ばれたえみなちゃんが、初出演というのにのびのびとして屈託なくとても可愛いです。先週の朝日新聞「ひと」欄に中学生になったはなちゃんご本人が登場していました。今もきちんと約束を守っておみそ汁を作っていること、小6からは夕飯も作っているとありました。千恵さんに代わって書いたレシピ集「はなちゃん12歳の台所」も11月に刊行されています。粉末だしで手抜きしている私も反省と共に読まなくては。東京テアトル70周年記念作品。(白)
2015年/日本/カラー/ビスタ/118分
配給:東京テアトル
(C)2015「はなちゃんのみそ汁」フィルムパートナーズ
http://hanamiso.com/
★2015年12月19日(土)テアトル新宿&福岡県内先行公開、2016年1月9日(土)全国拡大公開