監督・脚本:シャロン・マイモン、タル・グラニット
出演:ゼーブ・リバシュ、レバーナ・フィンケルシュタイン、アリサ・ローゼン、イラン・ダール、ラファエル・タボール
エルサレムの老人ホームで妻レパーナと暮らす発明好きのヨヘスケル。今日も音声の変わる器具を使って神様になりすまし、寝たきりの友人の老婦人を電話で励ましている。ある日、末期の病で入院している親友マックスの見舞いにいき、望まぬ延命治療に「もう楽になりたい」という言葉を耳にする。彼のため、自らスイッチを押して、苦しまずに人生の最期を迎えることのできる装置を発明する。
安楽死に猛反対の妻レパーナの目を盗み、同じホームに暮らす仲間たちの協力を得て、マックスを静かに旅立たせることに成功する。秘密裏に進めたはずだったのに、苦しまずに最期を迎えることができる装置の評判は瞬く間に広まってしまう。
そんな折、妻レパーナに認知症の症状が現われ始める。発明に夢中になって妻の認知症の進行に気がつかなかったことに自分を責めるヨヘスケル。一方、自分らしく生きられる時間が短いと悟ったレパーナは、自分のため、夫のため、残された時間をどう過ごすかを考え始める・・・
いつしか誰にも訪れる死・・・
映画を観ていて、4年前に亡くなった母を思い出し、涙、涙でした。母も亡くなる前の2年ほど、認知症でワケがわからなくなっていました。その後、首筋に癌が見つかり、急に悪化し、「なんとかして〜」と苦しんでいました。入院した病院は、延命措置をしない方針でした。かねてから母が希望していた通り、自然に最期を迎えることができたのは幸いでした。
その母は、よく父に「葬儀はどうしてほしい?」と聞いていたのですが、先に自分が逝ってしまいました。お花いっぱいがいいと、よく母が口にしていたので、我が家は本来神道でしたが、花が飾れないので無宗教の音楽葬にしました。喜んでくれたかなぁ・・・

シャロン・マイモン監督(左) タル・グラニット監督(右)
公開を前に来日された監督のお二人、シャロン・マイモンさんとタル・グラニットさんにインタビューの機会をいただきました。母の話をしたら、イスラエルでは、自分がどう死を迎えるかとか、葬儀のことはほとんど話題にしないのだそうです。誰しもが迎える死について、もっと皆で話してほしいという思いもあって、この映画を作ったそうです。
また、イスラエルでは、無宗教で葬儀をしたい場合は、キブツ(生活共同体)でするしかないそうです。キブツといえば、シオニズムの思想のもとに出来たものと思っていたので、意外でした。そして、キブツでの無宗教の葬儀は、ほかの宗教的な葬儀よりも費用が高いのだそうです。それも意外でした。(咲)
インタビューの詳細は、Web版シネマジャーナル特別記事でどうぞ!
http://www.cinemajournal.net/special/2015/happy/index.html
後援:イスラエル大使館
配給:アスミック・エース
2014年/イスラエル/カラー/93分/ビスタ/5.1ch サラウンド/ヘブライ語
公式サイト:http://happyend.asmik-ace.co.jp/
★2015年11月28日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー