監督・脚本・製作:ベント・ハーメル
出演:アーネ・ダール・トルプ(マリエ)、ロラン・ストケル(パイ)、スタイン・ヴィンゲ(アーンスト・アーンスト)
科学者のマリエはノルウェー国立計量研究所に勤めている。あらゆる計測に関するエキスパートだが、実生活では結婚に破れ、離婚手続き中。人生では規格ハズレになっている。そんなとき父親が倒れ、代理としてパリの国際セミナーに出席することになった。重さの基準となる「キログラム原器」を肌身離さず携えていかねばならない。
普段の生活でなにげなく使っている重さの規格の大元になるものを「原器」というんですね。聞いたことはあっても見たのは、この映画が初めてです。マリエの勤め先「ノルウェー国立計量研究所」と、マリエが出席する会議が開かれるパリ郊外の「国際度量衡局」は、撮影が許可されたほんもの。
にこりともしないマリエは、四角い部屋を丸く掃いたりはしないだろう、クールな理系女子なんだろうとつい思ってしまいます。ところが、パリで出会った男性パイのおかげですこしずつ表情がほぐれていき・・・。
『キッチン・ストーリー』『ホルテンさんのはじめての冒険』で、男性を主人公にしたベント・ハーメル監督。規則遵守、決まりきった日常からちょっと外れてしまうところにドラマが生れましたよね。この作品は規格そのものの「原器」を抱えた女性。なんということもないシーンにクスっと笑える種がまかれていました。(白)
2014年/ノルウェー、ドイツ、フランス/カラー/シネスコ/91分
配給:ロングライド
BulBul Film, Pandora Film Produktion, Slot Machine (c)2014
http://1001grams-movie.com/
★2015年10月31日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国ロードショー