監督:大森一樹
原作:小松みゆき「ベトナムの風に吹かれて」角川文庫刊
脚本:大森一樹、北里宇一郎(越後のBaちゃん ベトナムへ行く」2B企画より)
主題歌:フォー・セインツwith松坂慶子「たまには仲間で」(ユニバーサル ミュージック)
出演:松坂慶子(佐生みさお)、草村礼子(佐生シズエ)、松金よね子(佐生幸子)、柄本明(佐生雄一郎)、奥田瑛二(小泉民夫)、藤江れいな(坂口真希)、山口森広(ドエン/遠藤)、貴山侑哉(桜木光敏)、斎藤洋介(菊池啓太)、吉川晃司(本人役)
佐生みさおはベトナムのハノイで日本語教師として働いている。父が亡くなった知らせをうけて久しぶりに故郷の新潟へ戻ると、長男と同居の母シズエは認知症を患い、夫の死も理解していなかった。母は後妻で血の繋がった子どもはみさおだけ。考えた末に兄たちの反対を押し切り、ベトナムへ母親を連れて戻ることにした。
新潟を出たこともなかったシズエだったが、日ごとにベトナムに馴染んでいき、みさおも安心する。そんな矢先にシズエが事故に遭って、動けない辛さも加わり認知症が進んでしまう。眠る時間も削られ、みさおの疲労はピークになる。
実際にベトナムで日本語教師・ライターをしている小松みゆきさんの著作が元になっています。ベトナムとの合作なので、有名な俳優さんたちも共演。ほとんどベトナム製映画が入ってこないので全く知らないのですが、その分役柄そのままに映画に溶け込みます。
6年ぶり主演の松坂慶子さんは特訓したベトナム語のセリフをたくさん話しています。日本語と息遣いが違うことばで難しかったのではないかしら。母シズエ役の草村礼子さんは新潟の方言をあやつり、いつもしゃんと伸びている背中を丸め、認知症のおばあちゃんになりきってとても可愛らしかったです。
吹く風も人情も温かそうなベトナムでの暮らしと、小さなできごとを積み重ねたこの作品は、どこでも誰にでも共感を呼び、受け入れられそうな気がします。(白)
2015年/日本・ベトナム合作/カラー/ビスタ/114分
配給:アルゴ・ピクチャーズ
(C)「ベトナムの風に吹かれて」製作委員会
http://vietnamnokaze.com/
★2015年10月17日(土)有楽町スバル座ほか全国順次公開