2015年10月10日
『ボーダレス ぼくの船の国境線』 原題:Bedone Marz 英題:Borderless
監督・脚本:アミルホセイン・アスガリ
出演:アリレザ・バレディ、ゼイナブ・ナセルポァ、アラシュ・メフラバン、アルサラーン・アリプォリアン
イランとイラクの国境の河に浮かぶ廃船で暮らすイランの少年。釣った魚や、貝殻で作ったアクセサリーを売って日銭を稼いでいる。ある日、アラブの少年が闖入してくる。言葉は通じない。船の真ん中に線を引き、お互い干渉しないで住むことを意思表示する。そんなある日、米兵が現われる。二人は協力して米兵に対峙する・・・
ペルシャ語、アラビア語、英語と、登場人物3人は言葉が通じません。それ故の誤解や反目があっても、少しずつ歩み寄る姿に、言葉や文化が違う者どうし、お互いを尊重して戦争のない世界を実現したいものだという監督の平和への願いを静かに感じさせてくれる作品です。
2014年の東京国際映画祭「アジアの未来」部門で、 『ゼロ地帯の子供たち』のタイトルで上映され、みごと作品賞受賞。
来日した監督にお話を伺った際、アドバイザーを務めたアボルファズル・ジャリリ監督が、完成した作品を観終わって、ずっと泣いていて、もう百点貰った気分で、夜中に遠い家まで歩いて帰りましたと語っていたのが忘れられません。(咲)
『ボーダレス ぼくの船の国境線』アミールフセイン・アシュガリ監督インタビュー
(昨年の東京国際映画祭の折のインタビューと、上映後のQ&A)
http://www.cinemajournal.net/special/2015/borderless/index.html
アミール・ナデリ監督やアボルファズル・ジャリリ監督が若い監督への素敵なコメントを寄せています。こちらで!
★公開初日10月17日(土)11時半からの上映終了後、サヘル・ローズさんのトークイベントが行われます。
サヘルさんは、この映画の舞台となった国境近くの町で生まれ、幼少期にイラン・イラク戦争の折のイラクからの爆撃で家族全員を失いました。その後、育ての母に連れられて日本に移住。テレビ番組のキャスターやタレント、そして映画にも出演して活躍する明るいサヘルさんですが、戦争を体験した彼女だからこその平和への思いを語っていただけることと思います。
配給:フルモテルモ 配給協力:コピアポア・フィルム
2014年/イラン/カラー/102分/シネマスコープ/5.1ch/DCP (c) Mojtaba Amini
公式サイト: http://www.border-less-2015.com
★2015年10月17日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開!
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック