監督:深川栄洋(『60歳のラブレター』)
原案:木附千晶
脚本:小林弘利
撮影:月永雄太
音楽:平井真美子
出演:イッセー尾形(森衣恭一)、染谷将太(小鹿祥吾)、北乃きい(松川真由美)、ピエール瀧(広川)、嶋田久作()もたいまさこ(森衣弥生)、岸本加世子(井上容子)
森衣恭一は元校長先生。定年退職してから妻の弥生に先立たれ、教え子が今も校長先生と呼ぶこの小さな街で一人暮らしをしている。弥生がミイと呼んで可愛がっていた野良猫が毎日どこからか現われ、仏壇の前に座り込む。気持ちの折り合いがつかないまま、不器用に毎日を過ごしている先生は、邪険にミイを追い出してしまった。
来なければ来ないで、どうしているのか、事故にあってはいないかと気にかかる。探しているうちに弥生の行きつけの美容室にミイそっくりの猫の貼紙を見つけた。ミイはあちこちでいろんな名前で呼ばれてエサをもらい、高校生やおばあちゃん、に親しまれていたのだった。
埼玉県の岩槻市で実際にあった地域猫失踪事件を元ネタに、オリジナルの人物や出来事を加えてできあがった物語。ガンコで偏屈な先生は、毎日あてのない翻訳をするくらいしかすることがない。放り出した猫を探すうちに、それまで深く関わることのなかった街の人たちとの交流が広がっていきます。さまざまな事情をかかえた人々が猫と触れ合うことで、心のスキマが埋められいつしか、やわらかくなっていきます。かなり誇張したキャラの校長先生ですが、久しぶりの主演のイッセー尾形さんが演じると、リアルになってくるから不思議です。イッセーさんの猫イラストがまた味があります。
もう一人の主演といえるミイは、動物プロダクションに在籍し、NHKの朝ドラ「あまちゃん」にも出演したプロ猫女優のドロップ。ミルクティー色と灰色ののブチと縞とが混じったような毛並みが独特のせいか、スタントはなく単独で通しているようです。ずーっと前に飼ってた猫と似ているのでしんみりしてしまいました。(白)
2015年/日本/カラー/ビスタ/107分
配給:クロックワークス
(C)2015「先生と迷い猫」製作委員会
http://www.sensei-neko.com/
★2015年10月10日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー