2015年09月25日

岸辺の旅

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監督:黒沢清
原作:湯本香樹実「岸辺の旅」文春文庫
脚本:宇治田隆史
撮影:芦澤明子
音楽:大友良英、江藤直子
美術:安宅紀史
出演:深津絵里(薮内瑞希)、浅野忠信(薮内優介)、小松政夫(島影)、蒼井優(松崎朋子)、柄本明(星谷)、村岡希美(フジエ)、奥貫薫(星谷薫)、赤堀雅秋(タカシ)、首藤康之(瑞希の父)

瑞希の夫優介は3年前に失踪した。ようとして足取りがつかめず、瑞希は一人喪失感にさいなまれながら、子どもにピアノを教えて暮らしてきた。ひっそりとした家に戻り、優介の好物を作っていると突然優介が現われ、「俺死んだよ」と告げる。「俺と一緒に来ないか。綺麗な場所があるんだ」と旅に誘うのだった。
失踪した後、優介がお世話になった人たちを二人で訪ねながら、瑞希の空白の時間が埋められていく。

死んだ夫が戻ってきたら妻はどうするでしょう?
自分が知らなかった夫の姿が次々に見えてくるとしたら?
私なら何で何で、どうしてどうしてと質問攻めにし、騒ぎまくりそうです(恥)。
瑞希は驚きながらも、優介のことばを受け入れていっしょに足跡を辿ります。「岸辺の旅」は彼岸と此岸、死後の世界とこちらの世界をすれすれに歩くものでした。死んだ人々が様々な形でこちらにも残っているというのにも、身近な方を亡くしていればなおさら想像も納得もしやすいのではありませんか?
生死は切り離せないものですから、死だけ見ないでおくわけには行きませんが、たいていの人は想像しなくても生きていけます。それでいつのまにか近づいているのですが。湯本香樹実さんの童話や小説には、必ずと言っていいほど「死」が描かれます。この作品も、あるがままに受け入れ、旅の最後に行くべき場所に戻る安らぎを感じました。
しみじみとした情愛を通わせる夫婦を演じた深津絵里さん、浅野忠信さん。お二人は『寄生獣』で最強のパラサイトとして共演していましたし、蒼井優さんは女の怖さが出ていたし、俳優さんってつくづく興味深いです。
カンヌ映画祭「ある視点部門」では黒沢清監督が日本人初の監督賞を受賞しています。(白)


2015年/日本・フランス合作/カラー/シネスコ/128分
配給:ショウゲート
(C)2015「岸辺の旅」製作委員会/COMME DES CINEMAS
http://kishibenotabi.com/
★2015年10月1日(木)より、テアトル新宿ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 13:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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