監督:マルジャン・サトラピ(『ペルセポリス』『チキンとプラム〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜』)
出演:ライアン・レイノルズ、ジェマ・アータートン、アナ・ケンドリック、ジャッキー・ウィーヴァー
ジェリー・ヒックファン(ライアン・レイノルズ)は、バスタブ工場に勤めるちょっと根暗な青年。動物の声が聞こえてしまうジェリーは、精神科医に罹りながら、家では慈悲深い犬のボスコと邪悪な猫ミスター・ウィスカースに何かと諭されている。そんな彼が会社の懇親会企画ミーティングで、憧れのフィオナ嬢(ジェマ・アータートン)をデートに誘うことに成功! 派手なショーを見せてあげようと中華料理店ShiSenで待ち合わせするも、フィオナ嬢はすっぽかして女子会でカラオケに行ってしまう。店の前で待ち伏せしていたジェリーはフィオナ嬢を車に乗せて家に送ることに。ところが、森を通りかかったとき、鹿と正面衝突。大怪我をした鹿から「喉を切って殺してくれ」と言われ、止めを刺してしまう。これを見て驚いたフィオナ嬢も、ジェリーは刺し殺してしまう。家で遺体を切り刻み、顔だけ冷蔵庫に収めたジェリー。証拠隠滅の為に、次々に女性を殺してしまう。家に帰ると、フィオナ嬢たちの生首を出しては、会話する日々・・・
監督のマルジャン・サトラピは、イランで生まれ育ち、イラン革命後に国外に出て、現在はパリを拠点に活躍している女性イラストレーターであり作家。自伝的グラフィックノベル『ペルセポリス』を映画化したのを機に監督業も。『ペルセポリス』や『チキンとプラム〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜』では、故国イランの香りがたっぷり漂っていたが、本作はマルジャン・サトラピが、その感性を見込まれて監督を依頼されて作り上げた映画で、イランの要素は全くない。遺体を切り刻むというおぞましい場面もあるのに、動物や生首がしゃべるというキッチュでポップな映画。さぞかし楽しみながら作ったことと想像してしまう。
同じ9月19日から公開される『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』も、イラン国外に住むイラン女性による映画。こちらもシュールで、ちょっと飛んだ作風。イラン女性恐るべし!(咲)
マルジャン・サトラピが、『ペルセポリス』日本公開の折に来日した時の記者会見とインタビューはこちらでどうぞ!
2014年/アメリカ/カラー/103分/DCP
配給:ポニーキャニオン
公式サイト:http://happy-voice.jp/
★2015年9月19日(土)より、シネマート新宿・シネマート心斎橋にて公開ほか全国順次ロードショー