監督:ホウ・シャオシェン
原作:ハイ・ケイ
脚本:チュー・ティエンウェン、ホウ・シャオシェン
撮影:リー・ピンビン
音楽:リン・チャン
出演:スー・チー(インニャン)、チャン・チェン(ティエン・ジアン)、妻夫木聡(鏡磨きの青年)、忽那汐里(青年の妻)、シュー・ファンイー(ジャーチャン/ジャーシン)
唐の時代。隠娘(インニャン)は幼ないころから親の手を離れ、女道士のジャーシンのもとで暗殺者として育てられた。13年後、実家に戻った彼女の使命は、かつて許婚でもあった暴君ティエン・ジィアンを亡き者にすることだった。しかし、追い詰めながらどうしても彼にとどめを刺すことができず、自分にいまだ情があることに戸惑う。窮地に陥ったインニャンは、日本人の鏡磨きの青年に助けられる…。
台湾の名匠ホウ・シャオシェン監督8年ぶりの作品です。リー・ピンビンのカメラワークが美しく、見とれてしまいました。カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞しましたが、撮影賞は?といいたくなります。海外の俳優とのコラボを続けてきたホウ監督、今回は遣唐使としてやってきた青年に妻夫木聡を起用しています。粗末な衣に身を包み、愛妻の面影を抱いて笑みを絶やさない青年と、贅を尽くした宮殿に住み、華美な衣装でやたら怒りまくる不幸せな暴君ティエン・ジアンが好対照です。
ストイックな刺客を演じたスー・チーは、デビュー当時から20年近くずっと観ていますが、スタイルの良さと可愛らしさは変わらず、全然年取った感じがしません。今回は笑顔を封印して、舞踊のように美しいアクションを見せています。男性のアクションだと、力いっぱい技につぐ技の応酬を見せますが、こちらでは居合いのように一瞬の立ちあいが多く余韻を残します。師匠の道士役のシュー・ファンイーは高名な舞踊家だそうで、立ち姿からきりりとしています。ホウ監督の念願だったという初の武侠映画を、ぜひ大きなスクリーンでご覧下さい。(白)
2015年/台湾・中国・香港・フランス合作/カラー/スタンダードサイズ/108分
配給:松竹メディア事業部
(C)2015光點影業股イ分有限公司 銀都機構有限公司 中影國際股イ分有限公司
http://www.kokui-movie.com/
★2015年9月12日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー