2015年08月29日
天使が消えた街(原題:The Face of an Angel)
監督:マイケル・ウィンターボトム
出演:ダニエル・ブリュール(トーマス)、ケイト・ベッキンセール(シモーン)、カーラ・デルビーニュ(メラニー)
2011年、映画監督トーマスはローマにやってきた。4年前に古都シエナで起こったイギリス人留学生殺人事件を取材するためだった。被害者エリザベスの他殺体が発見されてまもなく、ルームメイトのアメリカ人留学生ジェシカとその恋人のイタリア人青年らが容疑者として逮捕されている。若く美しいジェシカがマスコミの注目を浴び、事件の本質とかけ離れた過激な報道合戦が巻き起こっていた。トーマスは事件についてのノンフィクションを書いたジャーナリスト、シモーンの協力を得て、エリザベスとその周辺の真実をあぶりだす作品をつくろうと考えていた。新しい展開も見い出せず行き詰まるトーマスの前に、天使のような微笑の女子学生メラニーが現われる。
実際にイタリアのペルージャで起こった事件をもとに、その映画化を図る監督の視点もあわせ、重層的なドラマとした作品。
気鋭の監督と期待されながら、思うような作品が撮れずにいるトーマスは、この作品で起死回生を目論んでいます。メラニーは何の見返りももとめず、親切に世話を焼きますが、学生なのに知り合いが多く裏道にも通じている謎の存在です。トーマスをほっとけなくて面倒をみているという感じで、離婚問題まで抱えている頼りないトーマスの守護神のようです。トップモデルだというカーラ・デルビーニュが、どこにいて何を背景にしても目を引きました。
事件の実際の判決は有罪、逆転無罪、さらにまた有罪となり、被告2人は懲役28年、25年で服役中とか。
マイケル・ウインターボトム監督作品は『いとしきエブリデイ』の後、スティーヴ・クーガン、ロブ・ブライドン2人のグルメ旅『イタリアは呼んでいる』が公開されています。
このトーマスを見て、監督もちょっとお疲れなのかと思ったことです。(白)
2014年/イギリス・イタリア・スペイン合作/カラー/101分
配給:ブロードメディア・スタジオ
(C)ANGEL FACE FILMS LIMITED / BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2014.
http://www.angel-kieta.com/
★2015年9月5日(土)より全国順次公開
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