監督:ケネス・エルベバック
撮影:トシュタイン・ノドランド
編集:クリストファー・ヘイエ
音楽:ヘンリク・スクラム
出演:ルーカス・ビヨルンボー、シーヴェルト・ロレンツ・ガルシア、トルゲール・ルンド
ノルウェーの首都オスロ。プロのバレエダンサーを目指し、ひたむきにレッスンに励む少年たちの12〜16歳の多感な時期を撮影したドキュメンタリー。ルーカス、トルゲール、シーヴェルトは互いにライバルではあったが、仲も良くレッスンの合間にお喋りしたりふざけあったりしている。このままの関係が続くかと思われたある日、ルーカスに名門のロイヤル・バレエ・アカデミーから招待があった。いつのまにか3人はそれぞれに将来の選択の岐路に立っていたのだった。
3人の少年たちが成長していく4年間を遠い親戚のおばちゃんのような気分で観ました。可愛い子たちが競い合いながらステップアップし、だんだんと青年らしくなっていくのが頼もしいです。同じようにバレエを愛していても、行く道が分かれていくのはちょっと胸が痛みますが、きっとどんなことも糧にして大人になっていくはずと勝手に期待しています。彼らのその後が気になりますが、公式サイトに記述がありました。
「ルーカスは英国ロイヤル・バレエ・アカデミー卒業後、ロイヤル・バレエ団に研修生として入団。2015年8月より本拠地であるロイヤル・オペラ・ハウスの舞台に立つ事が決まっている。シーヴェルトはローザンヌ国際バレエコンクール2015」のファイナリストに選ばれる。トルゲールは7月からノルウェー軍へ入隊」ルーカスとシーヴェルトのinstaglamをたどると最近の画像が観られます。もうすっかり大人でした。(白)
男の子3人のバレエといえば、ビョン・ヨンジュ監督の『僕らのバレエ教室』(2004年/韓国)を思い出します。男の子にとって、バレエをやっているというのは、ちょっと気恥ずかしい思いがあるもの。『バレエボーイズ』の3人の男の子たちも、そんな気持ちをちらつかせながら、お互いに切磋琢磨して、ひたむきにプロを目指して練習にいそしみます。まだ10代の頃から、はっきりとした目標があっていいなぁ〜と、うらやましい限りでした。3人の中でも、東洋系の顔立ちのシーヴェルトが特に気になりました。これからの活躍も注目したい魅力的な男の子。
そして、本作でオスロのオペラハウスが登場したのも注目です。昨年の東京国際映画祭特別招待作品『もしも建物が話せたら』(WOWOWの国際共同制作ドキュメンタリー第1弾)で取り上げられた6つの建物の中で一番気になった建物でした。フィヨルドの淵に、まるで海面からそそり立つ氷山のように建てられた新しいオペラハウス。緩やかなスロープになった屋根の上を歩く人や、バレエの練習をする人の姿が印象的でした。本作の3人の少年たちも、屋根の上で練習したりしたのでしょうか・・・ 本作の中で、新しいオペラハウスは、低所得者層の住む地区に建てられたと知りました。この地区の誇りとなるような素晴らしい建物の存在は、人々に希望を与えてくれているのではないかと思いました。(咲)
2014年/ノルウェー/カラー/16:9デジタル/75分
配給:アップリンク
http://www.uplink.co.jp/balletboys/
★2015年8月29日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクほか全国順次公開