監督:楠山忠之
撮影:長倉徳生 鈴木摩耶 楠山忠之
聞き手/ナレーション:楠山忠之
出演:原田要、リチャード・ジロッコ、タカラ・スエキチ、金城秀夫ほか
2013年にドキュメンタリー『陸軍登戸研究所』(紹介記事)を発表した楠山監督が、この夏で99歳になられる零戦パイロットの最後の一人原田要さんを訪ね、南京、ハワイ、ミッドウェイと転戦した体験を聞く。真珠湾攻撃に遭遇したアメリカ軍兵士、ハワイの日系人たちも当時の驚きとその後の苦難を語る。1942年4月の東京初空襲の体験者と共に歩き、今も残るその痕跡も紹介している。
原田要さんのしっかりした口調は年齢を全く感じさせません。海軍航空隊のパイロットとしていくつもの戦闘を体験、ガダルカナルで重傷を負った後は霞ヶ浦、千歳航空隊の教官として後進の指導にあたりました。真珠湾攻撃の陰であまり知られていないニイハウ島事件、ミッドウェイ海戦のその後については初めて耳にしました。零戦の性能とパイロットの技量の高さを話す原田さん、このときばかりはとても誇らしそうでした。
端切れやモザイクタイルが集まって大きな作品になるように、さまざまな立場で体験した方々の証言と資料が集められて、戦争の全体像が少しずつ浮かぶような構成となっています。平和が続いたおかげで、戦争を知らない人が大部分です。無知であることを自覚して、過去に学びたいものです。(白)
2015年/日本/カラー/デジタルSD/117分
配給:オリオフィルムズ
http://hitorihitori-no-senjo.com/
(C)2015「ひとりひとりの戦場」製作委員会
★2015年8月15日(土)ユーロスペースほか全国順次公開
原田要さんのインタビュー記事がこちらにありました。