監督・脚本:ロイ・アンダーソン 製作:ペニラ・サンドストロム
撮影:イストバン・ボルバス 出演:ホルガー・アンダーソン、ニルス・ウェストブロムサム 他
第71回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞(朝日新聞デジタル)した不条理物語。面白グッズを売り歩く冴えないセールスマンのサムとヨナタンは正反対の性格でありながらも友情を結んでいる。2人ともドヤ街らしき所に住んでいて商売は厳しく、口論がたえない… 訪れる先々で奇妙な人生を目撃する… 様々な死との出会い、18世紀のスウェーデン国王率いる騎馬隊、ブラックユーモアなエピソードが続く。この作品は昨年の第27回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門でも上映(映画祭上映時のタイトルは「実存を省みる枝の上の鳩」) 人間の愚かさ、希望と絶望、哀愁を織りなしている傑作。
懐かしいスウェーデン語が私の耳に心地いい・・私にとって生まれて初めての外国がスウェーデン・ヨーテボリでした。初海外が独り旅だったので空港に着いてもオロオロして沢山のスエ人に助けてもらったし見るもの、食べもの何でも初めてのスウェーデンにはビックリ仰天したことを今でも鮮明に覚えてます。映画の中でも出てきますが普通に国王が歩いてます。イケメンをナンパしたりはしないと思いますが(笑)ヨーテボリ出身の巨匠・ロイ・アンダーソン監督の、この長編最新作は『散歩する惑星』『愛おしき隣人』から続いた"リビング・トリロジー"(人間についての3部作)で、『さよなら、人類』の公開によって15年かけて完結。全39シーンを固定キャメラ、1シーン1カットで撮影。CG全盛の時代にロケではなく巨大なスタジオにセットを組み、マットペイントを多用して膨大な数のエキストラ(馬含む)を登場させ、まるで絵画のような映像は4年の歳月を費やして創り上げたそうです。スウェーデンと言えば「高福祉国家」をイメージする日本人ですが・・スウェーデンにだってホームレスは居るし、寒いせいかお酒呑んでるひとも結構いて不良も多い(苦笑)以前は自殺率が高かったことでも有名です。人間は生きていれば誰だって傷つくし、日々の生活に追われて暮らしているうちに死んでしまう…。恥をかいてばかり、なにをやっても上手くいかないひとたち(私含む)の哀しくも可笑しな人生。それでも一人一人の人生は愛おしくて美しい。万華鏡のような世界へと私たちを誘ってくれる壮大なアナログ巨編です!! (千)
2014/スウェーデン・ノルウェー・フランス・ドイツ合作/100分
配給:ビターズ・エンド
公式サイト
★8月8日より恵比寿ガーデン・シネマほか全国順次ロードショー