製作・監督:ジョナ・ベッカー、ザック・マース
出演:シグルズル・”シッギ”・ヒャールタルソン、パゥットル・アラソン、トム・ミッチェル
北極圏から50キロ、アイスランドの小さな港町フーサヴィークにある世界で唯一の“ペニス博物館”。館長シグルズル・”シッギ”・ヒャールタルソンは、ラテンアメリカ史で学位を取得後、歴史とスペイン語で教鞭をとり、中学の校長も務めた人物。
博物館には、40年にわたって収集したアイスランドの海と陸に生息する哺乳類のほぼすべてのペニスの標本200点以上が展示されている。唯一ないのは、ホモサピエンス=人間のペニス。ここまで集めたら、館長シッギにとって、なんとでもして死ぬまでに手に入れたい最後の1本!
シッギの願いを知って、地元の名士でアイスランドを代表する著名な冒険家、パゥットル・アラソンが名乗りをあげる。300人以上の女性と関係を持ったという元・プレイボーイでもある。95歳の彼は、自分の亡き後、提供することを約束する。
一方、アメリカ・カリフォルニア州に住むトム・ミッチェルからは、生前贈呈の申し入れが届く。自身のペニスを“エルモ”と名付け、星条旗のタトゥーと入れるという念の入れようだ。二人の熱烈なアピールが繰り広げられる・・・
収集のきっかけは、シッギさん33歳の時に同僚から譲り受けた牛のペニス。やがて、自宅の棚がホルマリン漬けのペニスでいっぱいになり、奥さんから博物館を作ったらと言われてしまいます。奥さんにしてみたら、毎日、生活の中で見たくはない光景だから当然のアドバイス。
よくこれだけ集めたと感心してしまいますが、やっぱり人間のモノがなければと欲が出るのもわかります。生前の同意を得ていないと、亡くなった方のモノを切り取るわけにもいかずと悩んでいたところに、二人の候補者! 映画は、この顛末を楽しく伝えてくれます。無事最後の1本も展示できることになり、シッギさんは息子に館長を譲って引退。
どちらの方のモノが展示されているかは、ぜひ映画でご確認を!
女性の方はタイトルに引いてしまうかもしれませんが(身を乗り出したのは誰?)、いたって真面目で可笑しいドキュメンタリーです。 (咲)
ペニス博物館:http://www.phallus.is/en/
*標本のほか、民族学資料など、テーマに沿ったアイスランド国内外の多数の資料が収蔵されている。現在は、フーサヴィークから首都レイキャビックに場所を移している。
カナダ/2012年/73分/カラー/ビスタ/5.1chデジタル/英語・アイスランド語
後援:駐日アイスランド大使館
配給:ギャガ映像事業部
公式サイト:http://saigo-no-ippon.gaga.ne.jp/
★2015年8月8日(土)より新宿シネマカリテほか全国順次公開