監督・撮影:小谷忠典
出演:石内都
メキシコの女性画家フリーダ・カーロが亡くなって50年が経ち、遺言によって浴室に封印されていた遺品に光があてられた。2012年、それらを撮影するプロジェクトが立ち上がり、日本の女性写真家 石内都さんに依頼が届く。不自由な身体を支えたコルセットや靴、愛用した色鮮やかな衣装の数々を3週間をかけて撮影。小谷監督は石内さんの仕事に密着しながら、フリーダの愛したメキシコの風景、原色の民族衣装をまとう現代の女性の姿も追う。
2013年のドキュメンタリー『ひろしま 石内都・遺されたものたち』(リンダ・ホーグランド監督)では被爆者たちの焼け残った衣服と対峙していた石内都さん。今度は陽光溢れるメキシコシティにあるフリーダ・カーロの博物館「青の家」での撮影です。
丁寧に並べられ、太陽にあたり、風に吹かれて、遺品たちがほ〜っと息をしたような気がしました。写真集「Frida by Ishiuchi」はスペインから出版されています。(白)
フリーダ・カーロが亡くなってから20年くらいかと思っていたが、この作品を観て、亡くなってから50年もたっているのかとびっくりした。そんなに前の時代の人という感じがしない。
石内さんの目を通して撮影された遺品は、フリーダが時空を越えて甦ったように感じる。遺品は物なのに、亡くなった人がそこにいるような存在感を放つ。きっとフリーダの遺品を石内さんに撮ってもらいたいと思った人もそれを感じたのではないだろうか。石内さんの写真は、新しいフリーダ像を紡ぎだした。(暁)
2015年/日本/カラー/HD/89分
配給:ノンデライコ
(C)ノンデライコ2015
http://legacy-frida.info/
★2015年8月8日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開