2015年07月19日
お盆の弟
監督:大崎章
脚本:足立紳
出演:渋川清彦(タカシ)、光石研(マサル)、岡田浩暉(藤村)、河井青葉(涼子)、渡辺真起子(タカシの妻)、田中要次
タカシは売れない映画監督。ガンにかかった兄マサルを看病すると実家に舞い戻っていたが、しっかり者の妻には別居を宣言されてしまっている。新作を作れば妻とヨリが戻せると信じて、家事にいそしみながら地元の神社にお参りする毎日。同じく売れない脚本家の藤村とシナリオ作りをしているが、目下彼女と付き合うのに夢中の藤村はちっとも本気になってくれない。藤村の紹介で出会った涼子を兄貴の嫁さんにどうか、と目論むタカシだったが、涼子はタカシが独身と思い込んでしまった。
『キャッチボール屋』(2005年)の大崎章監督10年ぶりの新作です。タカシにはたっぷり大崎監督の思いが詰め込まれているようです。お兄さんの病気で食事作りをしたというのもほんとで、この男2人の食事シーンが実にいいです(我が家の食卓より皿数が多いわ)。
奥さんとのくだりは、脚本の足立さんの離婚寸前体験ががっつり入っているそうで、奥さん役の渡辺真起子さんの迫真のシーンをご覧下さい。夢見て生きている男と、今日のご飯と子どもの心配を抱えている女の立っている場所の違いが如実にわかります。ロケ地の群馬県の玉村町は監督の生まれ故郷。モノクロの画面に同じく群馬出身の渋川さんがぴたりとはまって、ちょっと昔の日本映画の雰囲気がありました。(白)
2015年/日本/白黒/ビスタ/107分
配給:アルゴ・ピクチャーズ
(C)2015映画「お盆の弟」製作委員会
http://obonbrothers.com/
★2015年7月25日(土)新宿K’s cinema他にて順次ロードショー
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