監督:ダニエル・エスピノーサ
脚本:リチャード・プライス
原作:トム・ロブ・スミス「チャイルド44」(新潮社刊)
撮影:オリヴァー・ウッド
音楽:ヨン・エクストランド
出演:トム・ハーディ(レオ・デミドフ)、ゲイリー・オールドマン(ネステロフ将軍)、ノオミ・ラパス (ライーサ・デミドワ)、ジョエル・キナマン(ワシーリー)、パディ・コンシダイン(ウラジミール)、ジェイソン・クラーク(ブロツキー)、ヴァンサン・カッセル(クズミン少佐)
1953年スターリン独裁政権下のソ連。子どもたちの変死体が次々と発見された。線路近くで見つかった遺体は事故として処理されたが、エリート秘密捜査官のレオは親友の息子の死をきっかけに他殺ではないかと疑問を持つ。その後も故意に傷つけられた遺体が発見されるが、殺人は資本主義国家の弊害であり「理想の国家」のソ連ではあってはならないことだった。近隣の行方不明者の跡を追い、共通の印を見つけ、と捜査を進めていくレオは、事件を闇に葬りたい国家に次第に追い詰められていく。
主演作の続くトム・ハーディがソ連の秘密警察のエリートに扮した作品。2009年「このミステリーがすごい!」海外版の第1位になったベストセラーが原作です。
レオの妻となるライーサに『ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女』のノオミ・ラパス。生き延びるためにレオに嘘をつかねばならない普通の女性教師を演じています。後半にあのリスベットならできる!な、アクションもあって、なかなかにハラハラさせてくれます。
ポイントを押さえたキャスティングで、レオを抹殺しようとする追っ手も国家の命令だからというだけでなく、悪意満タン。誰も信じられず孤立無援かと思ったところに味方が現われるストーリーもツボを押さえています。陰惨な事件を探るサスペンスに加え、レオとライーサの心情にフォーカスをあててラストの締め方も◎。
原作では犯人側の語りもページをさいて書かれていますが、早くから犯人がわかっていても面白さは損なわれません。過酷だった時代の輪郭が一層はっきりしていました。原作もぜひどうぞ。(白)
2014年/アメリカ/カラー/シネスコ/137分
配給:ギャガ
(C)2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
http://child44.gaga.ne.jp/
★2015年7月3日(金)TOHOシネマズ みゆき座他全国順次ロードショー