(c)2015 SIGLO
監督・ナレーション ジャン・ユンカーマン
企画・製作 山上徹二郎
音楽 小室 等
戦後70年、沖縄は問いかける
『老人と海』で与那国島の巨大なカジキを追い求める老漁師の姿を通して、荒々しくも美しい自然と風土を捉え、『映画日本国憲法』では平和憲法の意義を訴え、平和を守ろうと行動する人たちを支え勇気づけてくれたアメリカ人映画監督 ジャン・ユンカーマン。最新作では、戦争に翻弄されてきた沖縄の戦後史をたどり、米軍基地をめぐる不屈の戦いを続けている沖縄の人々の尊厳を描いている。
戦後70年たっても日本全国の米軍専用施設の74%が沖縄に集中しているといわれるが、沖縄戦以後、アメリカによる占領期から今日に至る、米軍基地をめぐる負担を日米双方から押し付けられてきた沖縄の差別と抑圧の歴史を描きだし、辺野古移設問題に繋がる、沖縄の人たちの深い失望と怒りの根っこを浮かび上がらせる。
第1部「沖縄戦」1945 年4月1日、アメリカ軍が沖縄本島に上陸し、12週間に及ぶ激闘で沖縄では住民の4人に一人が亡くなった。当時同じ戦場で戦った元米兵、元日本兵、沖縄住民に話しを聞き、米公文書館所蔵の米軍による記録映像を差し込み、沖縄地上戦の実情にせまった。
第2部「占領」1945年6月23日の沖縄戦の組織的戦闘の終結を待たず、4月1日の沖縄本島上陸直後から始まっていた米軍による差別的な沖縄占領政策の実態と米軍基地建設の状況を描き出す。それが、戦後、占領下で、沖縄の人々の平和を求める反基地闘争に繋がる。
第3部「凌辱」米軍基地の存在によってもたらされる女性たちへの性暴力の実態を、被害者、加害者である元米兵双方への取材を通して明らかにする。また、基地周辺住民への被害だけでなく、米軍内で女性兵士たちが性的被害を受けている実態をも描き出す。
第4部「明日へ」辺野古への米軍基地建設をめぐる日本政府の強引な対応と、沖縄への差別的な扱いを許している日本本土の無関心に対して、沖縄の人たちの深い失望と怒り。このような歴史の流れの中で、やむにやまれぬ気持ちで、不屈の闘いを続ける沖縄の人びとの真の強さを伝える。
うりずんの雨は 血の雨 涙雨 礎の魂 呼び起こす雨
沖縄が梅雨に入る5月くらいまでを指す言葉で、沖縄地上戦がうりずんの季節に重なり、この時期になると当時の記憶が甦り、体調を崩す人たちがいることからタイトルに。
この映画を観て、改めて沖縄が背負ってきたもの、抵抗を続ける辺野古をめぐる沖縄の人々の思いが伝わってきた。沖縄の「終わらない戦後」をいま一度、私たち自身に問うドキュメンタリー映画である。それにしても、アメリカ軍内部でも女性兵士が性的被害を受けているとは…。(暁)
製作 前澤哲爾、前澤眞理子
撮影 加藤孝信、東谷麗奈/整音 若林大記
配給・宣伝:シグロ
2015年/日本/2 時間28 分/カラー/DCP・BD/ステレオ5.1ch
公式サイト http://okinawa-urizun.com/
70年目の沖縄慰霊の日に合わせ、6月20日から
岩波ホール、沖縄桜坂劇場ほか全国順次公開
★上映情報
[東京]
○会場:岩波ホール(TEL.03-3262-5252)
http://www.iwanami-hall.com/
○上映時間:6/20(土)〜7/31(金)
11:00〜/14:30〜/18:30〜
○岩波ホール 劇場イベント(全て、14:30の回、上映後)
6/23(火/沖縄・慰霊の日)
ユンカーマン監督×山上徹二郎(本作プロデューサー)
7/3(金)石川真生さん(写真家)×ユンカーマン監督
7/8(水)池田恵理子さん(女たちの戦争と平和資料館 館長/本作出演)
×ユンカーマン監督
7/16(木)三上智恵さん(ジャーナリスト/「戦場ぬ止み」監督)
×ユンカーマン監督
[その他の地域]公開劇場情報
[沖縄]○会場:桜坂劇場(TEL.098-860-9555)
http://www.sakura-zaka.com/
○上映時間:6/20(土)14:00〜
6/21(日)14:00〜/17:20〜
6/22(月)〜26(金)10:00〜/14:00〜
6/27(土)〜7/3(金)13:00〜
7/4(土)〜調整中
北海道:シネマ・トーラス(TEL.0144-37-8182)
http://cinema-taurus.info/
福島:フォーラム福島(TEL.024-533-1515)
http://www.forum-movie.net/fukushima/
群馬:シネマテークたかさき(TEL.027-325-1744)
http://takasaki-cc.jp/
静岡:静岡シネ・ギャラリー(TEL.054-250-0283)
http://www.cine-gallery.jp/
愛知:名演小劇場(TEL.052-931-1701)
http://homepage3.nifty.com/meien/
大阪:第七藝術劇場(TEL.06-6302-2073)
http://www.nanagei.com/
兵庫:神戸アートビレッジセンター(TEL.078-512-5500)
http://kavccinema.jp/
福岡:KBCシネマ(TEL.092-751-4268)
http://www.h6.dion.ne.jp/~kbccine/