監督・脚本:松島哲也 原作:田原和夫(築地書館)
出演:金澤美穂 木島杏奈 澤田怜央 柴田龍一郎 清水尚弥 清水尋弥 三村和敬 六車勇登 吉田憲祐(50音順)
金子 昇 大谷英子 田中律子 二階堂 智 長本批呂士 上田耕一 小林勝也 香山美子(特別出演)
田中 泯 夏八木 勲
東日本大震災から1年後。原発事故で避難生活を余儀なくされている中学の放送部員たち。津波で機材も流され、応募作品の制作も出来ないと嘆いたところに、中国北東部の小さな村・石岩鎮の長老、金氏から、ぜひ取材してほしいと招待状と共にカメラと本が届く。中国に飛んだ15歳の放送部員たちは、金氏から昭和20年の壮絶な経験を聞かされる。
日中戦争末期、旧制新京第一中学校から勤労動員としてソ連と満州の国境近くの報国農場に送られた15歳の少年たち120名。8月9日、ソ連軍が国境を越えて侵攻。砲煙弾雨のなか命からがら300キロ離れた新京の親元を目指す。荒野を歩くうち、8月20日、ソ連軍に捕えられ捕虜収容所に。劣悪な収容所を50日後に解放され、餓死寸前の衰弱しきった身体で彷徨う少年たちを助けたのは石頭村(現・石岩鎮)の人々だった。敵国の少年たちに宿と食べ物を提供してくれたことに感謝し、この村に残ったのが金森こと金氏。朝鮮出身であることを同級生たちに隠していたことを明かして村に残った思いを中学生たちに語るのだった。
金氏の案内で取材を終え帰国した放送部員たちに、思いがけない出会いが待っていた・・・
映画の発端は、昭和20年当時、旧制新京第一中学校に在籍していた田原和夫さんが自身の体験を記した「ソ満国境 15歳の夏」(築地書館)。監督が構想を練るうち、未曽有の東日本大震災が起こり、2つを結びつけた物語を作り上げました。様々なエピソードを盛り込みすぎた感は否めませんが、共通するのは、まだ成人に達しない多感な15歳の少年たちが、故郷を失うというつらい体験をしたこと。また、戦争を知らない若い世代に、戦争体験を語り継ぐことの必要性も映画は伝えてくれます。
放射能汚染除去のボランティア作業をする老人役で、一昨年亡くなられた夏八木勲さんが出演されているのも見逃せません。 (咲)
配給:パンドラ+ジャパン・スローシネマ・ネットワーク
2015年/94分/カラー/デジタル
公式サイト:http://15歳の夏.com/
★2015年8月1日(土)より(新宿)K's cinema、(名古屋)シネマ スコーレ、(大阪)シネ・ヌーヴォほかにてロードショー!