監督・構成・編集:光石富士朗
プロデューサー:吉田裕
企画・撮影:薄井一議、薄井大還
語り:柄本佑
出演:ダライ・ラマ14世
1991年、写真家の薄井大還がダライ・ラマ14世に出会ってから20数年。撮影を始めてあしかけ6年の歳月をかけて誕生したドキュメンタリー。これまで見たことのないダライ・ラマ14世のプライベートな素顔を垣間見ることができる。
さまざまな催しに気軽に参加し、行く先々で会う人々の手をとり、力づけ、質問にはウィットに富んだ答えを返し、茶目っ気たっぷりの表情も見せる。非暴力での解決を望み、ノーベル平和賞を受賞している高僧という近寄りがたさは全くない。取材班はインドのダラムサラのチベット亡命政府も訪ね、難民の生活、多言語を学ぶ子どもたちのようすも紹介する。
気さくでやさしい親戚のおじさんのような親近感のあるダライ・ラマ14世です。留学生の女の子たちが「チベット人として誇りを持ちましょう」と励まされ、滂沱の涙にくれるシーンにもらい泣きしながら、こういう人が世界中にたくさんいてくれたら、という甘いことをつい考えてしまう筆者。
若者から発せられた質問「日本人としてできることはなにか」に答えた14世の言葉にぐっときました。ぜひスクリーンでご確認ください。人頼みでなく、自分のできることを考える。戦後70年も平和で豊かな日本(最近はそうとも言い切れませんが)に生まれ育って享受しているものに感謝し、学ぶことを怠ってはいけない、とつくづく思ったのでありました。(白)
東京の街頭で集めた質問の数々を投げかけるのですが、即答する内容がユーモアに溢れていたり、真実を突いていたりと、ダライ・ラマ14世の人間味溢れる姿に出会えました。
「髪型を変えられるなら、どんな髪型に?」という質問にも楽しい答えが。
答えられない時には、率直に「I don’t know」ときっぱり。逆に「あなたが知っている」とも。
「仏陀の生まれ変わりでも、悪魔でもない、普通の人間」と語るダライ・ラマ14世。
「生まれ変わったら何に?」の答えも素敵でした。
「平和は内(心)から生まれるもの」という言葉を、世界の皆が噛みしめて実行したいものです。(咲)
2014年/日本/カラー/116分
製作・配給:ブエノスフィルム
cBuenos film
http://www.d14.jp/
★2015年5月30日(土)ユーロスペースほかにて全国順次公開