監督:喜多一郎
出演:白石隼也、夏菜、中尾明慶、瀬古千裕、深田綾、秋野太作、筧美和子、JOY、岡田浩睴 松下由樹、ミッキー・カーチス、松原智恵子
井上遼(白石隼也)は、東京都内の人気美容室で働くカリスマ美容師。ある日、担当している人気モデルから交際を申込まれるが、冷たく断ってしまう。美容室にとって大事な顧客を逃したことから、遼は解雇される。おまけにアパートが火事で全焼。路頭に迷った遼は故郷・札幌に帰るが、疎遠になっている母(松下由樹)の元にはまっすぐに帰れない。カフェを営む先輩・倉橋和也(中尾明慶)を訪ね、彼から地元の美容室での1週間の仕事を紹介してもらう。
美容室のオーナー松野美幸(瀬古千裕)から、同僚の高橋まり(夏菜)と共に訪問美容の講習を受けるように言われる。松野は不服そうな遼を病院に連れていき、抗がん剤で髪の毛の抜けた少女のウィッグをセットさせる。綺麗にセットされたのを嬉しそうに鏡を覗きこむ少女の姿に、遼の心がほぐれる。訪問美容の講習に通い、介護施設で年老いた人たちの髪の毛をセットして実戦を積む遼。そこで出会った野村幸太郎(ミッキー・カーチス)や長谷川さくら(松原智恵子)から様々なことを学ぶことになる・・・
美容界が新たに取り組みを始めている≪訪問美容≫を取り上げた物語。ヘアースタイルが綺麗に決まるだけで、気分も変わるもの。美容室に足を運べない人の為に、素敵な試みですね。ますます高齢化する社会では、こうしたケアも必要なのだと実感しました。訪問美容を背景に、遼とまりの恋が育まれる爽やかな物語。ロケ地札幌の風情も楽しめます。(咲)
美容室を取り上げた映画は『はさみ hasami』(2010年/光石冨士朗監督)以来。1:1でお客様に関わり、自分の技術の結果がすぐ現われるという仕事がとても魅力的であり、同時に怖いなとも感じました。『はさみ〜』は理美容学校の仲間の絆を主に描いていましたが、こちらは申し分ない技術を持った主人公が、出会いを重ねることで人間的に成長していきます。自分の交際範囲にはいない高齢者からというのが嬉しいエピソードでした。自分も含めみんな年を取っていくのに、若いうちは気づかないものなんですよね。最近帰っていない札幌が舞台なのも得した気分で、懐かしく見入りました。(白)
2014年/日本/カラー/ビスタサイズ/1時間42分
後援:全日本美容業生活衛生同業組合連合会 / 札幌市 支援:さっぽろ産業振興財団
配給:ビーズ・インターナショナル
(c)2015「鏡の中の笑顔たち」製作委員会
公式サイト:http://kagaega.com/
★2015年5月30日(土 )角川シネマ新宿 他全国公開