監督:ウェス・ボール
脚本:ノア・オッペンハイム、グラント・ピアース・マイヤーズ、T・S・ノーリン
原作:ジェームズ・ダシュナー「メイズ・ランナー」角川文庫
出演:ディラン・オブライエン(トーマス)、カヤ・スコデラーリオ(テレサ)、トーマス・ブロディ=サングスター(ニュート)、ウィル・ポールター(ギャリー)、アムル・アミーン(アルビー)、キー・ホン・リー(ミンホー)、ブレイク・クーパー(チャック)
目が覚めると動く檻の中にいた。自分の名前もなぜここにいるのかも思い出せない。上昇して止まると、同じくらいの若者たちが覗き込んでいた。ようやく思い出したのは、自分がトーマスという名前だったことだけ。最初の少年が来てから3年。誰もが記憶を失い、目的もわからずに放り込まれた世界には、毎月1回、生活物資と一緒に一人が送り込まれてくる。
広場はぐるりと高い壁に囲まれ、出口らしいものは一つだけ。しかしその先は巨大な迷路になっていて、夜に閉じられた後に壁が動いて構造が変わり、翌朝には新たな道が出現していた。コミュニティには生きるためのルールがあり、それぞれの特技を生かして暮らしてきた。俊足のものはランナーとなり、毎日迷路を探索していたが、今も出口は見つかっていない。
メイズとは「迷路」のこと。これまでに出てきた迷路は洞窟だったり、高い生垣に囲まれていたりしましたが、どんなに複雑でも壁に沿って歩けば、いつかは出られるものでした。ところがこの作品のメイズときたら厚みのある高い壁で、意地の悪いことに夜中に動いて道を変えてしまいます。おまけに何やら人間を襲う怪物がいる模様。鈍足な上に方向音痴な筆者はぜ〜〜ったい行きたくない場所です。
誰かが目的を持って作った場所であるはずですが、送り込まれた少年たちは記憶を消されていて、その秘密もなかなか明かされません。
原作のティーン向けの小説3部作はベストセラーとなり、映画も熱狂的に迎えられています。青少年たちが団結して戦うところは、先に公開された『ハンガー・ゲーム』に共通していますが、こちらは敵が明らかでなく、その謎に挑んでいかねばなりません。また途中から少女が一人加わりますが、それまで全て男の子ばかりなので「蝿の王」的なところもちょっとだけ見られます。
この第1部は女の子の活躍場面がまだなく、みんなが汚れていて美少年っぷりが楽しめませんが、それは続編に期待しましょう。スピード感たっぷりのゲーム感覚の世界が拡がって心臓バクバクです。(白)
2014年/アメリカ/カラー/シネスコ/113分
配給:20世紀フォックス
(C)2014 Twentieth Century Fox Film
http://www.foxmovies-jp.com/mazerunner/
★2015年5月22日(金)TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー