2015年05月15日

戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)

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監督:三上智恵(『標的の村』)
音楽: 小室等
ナレーション: Cocco

戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ):
辺野古のゲート前のフェンスに掲げられた琉歌の一節で、「戦場の苦しみにとどめを刺そう」という思いのこもった言葉。反戦平和の大衆運動を引っ張った有銘政美さんが詠んだ琉歌だ。

沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設候補地となっている名護市辺野古。
2014年8月14日、埋め立て予定の大浦湾を防衛局と海上保安庁の大船団が包囲。日本政府は機関砲を装備した大型巡視船まで投入して、建設に抗議するわずか4隻の船と20 艇のカヌー隊を制圧する。陸上でも工事を止めようと市民が座り込みを続ける。市民の前に立ちはだかるのは沖縄県警機動隊と民間警備会社。国策に引き裂かれ、直接ぶつかり合うのは県民同士だ。「私を轢き殺してから行きなさい」と工事車両の前に身を投げ出したのは、あの沖縄戦を生き延びた85歳のおばあ。彼女にとって沖縄はずっといくさの島、それを押し付けるのは日本政府だった・・・・

沖縄の人たちは、どんな思いで暮らしてきたのか?
反対運動をしている人々の思いを時にユーモアを交えて描くのと同時に、三上監督は基地と折り合って生きざるをえなかった地域の人々の思いも丁寧に伝えている。座り込みをする人たちの前に無表情で立ちはだかる県警や警備会社の人たちの複雑な気持ちにも思いが至る。

なぜ、沖縄に米軍基地があるのか?
なぜ、米軍基地をさらに強化しないといけないのか?
それは単に沖縄だけの問題でなく、私たち日本人に投げかけられた問題だということを、本作からひしひしと感じた。

先祖を迎える日、踊り歌う人々・・・  座り込みなどしないで、気楽に人生を送ることもできるのに、反対運動に身を投じる人たち。
地上戦を経験した沖縄のおじい、おばあが、戦後70年どれだけ悔しい思いで生き抜いてきたかをかみしめ、二度と戦争に巻き込まれてはいけないという彼らの思いを受け継いでいかなければと頑張る人たちの姿に涙が止まらなかった。(咲)


制作協力:シネマ沖縄 協力:沖縄タイムス社 / 琉球新報社
製作協力:三上智恵監督・沖縄記録映画を応援する会
製作:DOCUMENTARY JAPAN / 三上智恵
配給・製作:東風
2015年/日本/カラー/DCP・BD/129分
公式サイト:http://www.ikusaba.com

◆『戦場ぬ止み』緊急先行上映 初日&二日目、三上智恵監督来場!
5/23(土)&5/24(日)16:15の回上映後 舞台挨拶(5分程度・その後ロビーで交流いただけます)

★2015年5月23日(土)より東京・ポレポレ東中野で緊急先行上映決定!(本上映 7月18日(土)より)、7月11日(土)より沖縄・桜坂劇場、7月18日(土)より大阪・第七藝術劇場ほか全国順次公開
posted by sakiko at 13:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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